2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19200017
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
河原 英紀 和歌山大学, システム工学部, 教授 (40294300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥乃 博 京都大学, 情報学研究科, 教授 (60318201)
鹿野 清宏 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00263426)
猿渡 洋 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (30324974)
戸田 智基 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (90403328)
森勢 将雅 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (60510013)
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Keywords | 音声分析 / 音声変換 / 音源分離 / 咽頭摘出 / 聴覚 / 聴覚障害 / STRAIGHT |
Research Abstract |
本課題の最終年度にあたり、これまでの成果を総合し音声コミュニケーションの拡張のための技術基盤を様々な形で公開した。本研究の基盤となる音声分析変換合成技術は、新しい周期信号のパワースペクトルの表現を用いることによりTANDEM-STRAIGHTとしてより実用的な方法として生まれ変わることとなり、更に実用性の高い、簡易な方式が派生するなど、広く用いられるための基盤が整備された。この基盤の上に、モーフィング率を時系列に拡張した時変多属性モーフィング技術が構築され、応用範囲を大きく拡げることができた。本課題の重要な対象のひとつである、声を失った喉頭摘出者の音声変換についても、一対多固有声変換に基づく無喉頭音声強調法を提案し、食道発声音声、電気式人工喉頭を用いた発声音声、微弱振動子を用いた発声の肉伝導収録音声といった各種無喉頭音声から、任意の声質を持つ自然音声への変換を実現した。これらの結果、自然性や話者性を大幅に改善できることが示された。また、独立成分分析による雑音推定と平均二乗誤差最小化短時間振幅スペクトル推定に基づく雑音抑圧技術を両耳補聴器に適用することにより、実環境下での明瞭性を向上できることを確認した。さらに、将来の展開につながる新しい成果も、生み出されている。代表的なものを挙げると、分析位置の影響を排除した瞬時周波数計算法、成分位相を制御したTANDEM-STRAIGHTの音声合成部分の拡張などである。これらの新技術の可能性は学術ならびに応用の双方において大きく、今後、新たな課題の提案を通じて検討を進めることとした。
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Research Products
(45 results)