2008 Fiscal Year Annual Research Report
社会認識に関わる分子の神経化学的解析による自閉症の解明と治療
Project/Area Number |
19200030
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東田 陽博 Kanazawa University, 医学系, 教授 (30093066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 茂 金沢大学, 医学系, 准教授 (00210633)
橋井 美奈子 金沢大学, 医学系, 講師 (10272957)
小泉 恵太 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (70377406)
棟居 俊夫 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (50293353)
菊知 充 金沢大学, 医学系, 特任助教 (00377384)
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Keywords | 脳・神経 / シグナル伝達 / ADPリボシルシクラーゼ / CD38 / NAD |
Research Abstract |
CD38ノックアウトマウスが示す自閉的反社会性行動と血中および脳内オキシトシンレベルに相関が認められた事を出発点に、自閉症とオキシトシン分泌との直接的因果関係を証明する動物実験を行った。 虐待、ニートといった個人の行動異常や、いじめ、学級崩壊といった集団の行動異常は現在社会の一大関心事である。これらの行動異常の背景には少なからず発達障害が存在している事が分かっている。ここに自閉症を含む発達障害の生物学的基盤を究明することの重要性がある。解決に迫れるテーマの一つとして、オキシトシンとその周辺分子に焦点を絞り研究した。オキシトシンは視床下部細胞や脳下垂体後葉から分泌される主に女性の生殖・繁殖活動に関わるホルモンと考えられてきた。しかし、オキシトシンは男性の脳にも多く存在しており、人間の脳内で情動行動・精神活動に関わる重要な働きがあると推測されるようになった。オキシトシンが脳内において他の個体に対する認識や愛着親和的態度などに関わっており哺乳類の社会行動を左右する重要な役目を持つことを示す実験を行った。すなわち、メスのCD38KOマウスは離された仔どもを巣に連れ戻す行動や、仔を腹の下に抱える行動になかなか取りかかれず、しかも完遂できないという養育行動異常を示した。オキシトシン濃度を測定したところ、野生型の半分近くに減少している事がわかった。CD38KOマウスの仔どもは野生に比べて多動であった。超音波測定を行ったところ、親を求めるために発する頻度が低かった。その理由として、乳中からオキシトシンの摂取により血中オキシトシンの低下が無かったことが考えられた。
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[Journal Article] Design and synthesis of 4", 6"-unsaturated cyclic ADP-carbocyclic ribose as a Ca^<2+> -mobilizing agent.2008
Author(s)
Kudou, T., Weber, K., ……Hashii, M., Higashida, H., ……Shuto, S., 他4名
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Journal Title
Tetrahedron Letters 49
Pages: 3976-3979
Peer Reviewed
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[Journal Article] Design and synthesis of 4", 6"-unsaturated cyclic ADP-carbocyclic-ribose, a Ca^<2+> -mobilizing agent selectively active in T cells.2008
Author(s)
Kudou, T., Murakami, T., Hashii, M., Higashida, H., ……Shuto, S., 他8名
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Journal Title
Tetrahedron. 64
Pages: 9754-9765
Peer Reviewed
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[Book] Neurobiology of the Parental Brain, Bridges, R. S. ed.2008
Author(s)
Higashida, H., …… Yokoyama, S., Koizumi, K., Hashii, M., …… Munesue, T., 他5名
Total Pages
361-375
Publisher
Academic Press, San Diego