2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロビーズ法によるマウス・ラット感染症の微量検査法の開発
Project/Area Number |
19200033
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八神 健一 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40166476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國田 智 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10195472)
有川 二郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10142704)
大沢 一貴 長崎大学, 学内共同利用施設, 教授 (90244756)
後藤 一雄 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (00205593)
池 郁生 理化学研究所, バイオリソースセンター, 研究員 (40183157)
|
Keywords | 実験動物 / 微生物検査 / マイクロビーズ法 / 血清診断 / マウス / ラット |
Research Abstract |
蛍光マイクロビーズ(MFI)法による抗体検査は、微量血清で多項目の検査が可能なため、小型実験動物に最適であり、欧米の検査機関では抗体検査のスタンダードになりつつある。本研究では、マウス・ラットの主要感染症について、MFI法に用いる組換え抗原や不活化抗原を開発し、その特異性の検討ならびに感染血清を使用した検出感度の評価を行い、MFI法による抗体検査システムを構築することを目的とした。 前年度までに開発したマウス肝炎ウイルス(MHV)、センダイウイルス(SV)、肺マイコプラズマ(MP)、ティザー菌(TZ)、ハンタウイルス(HAN)、マウス微小ウイルス(MVM)、マウスパルボウイルス(MPV)、マウスロタウイルス(EDIM)、マクスノロウイルス(MNV)の組換えウイルス抗原、不活化ウイルス抗原および不活化菌体抗原と実験感染血清との反応をMFI法で測定したところ、抗原声よび血清濃度に依存した反応性が検出された。次いで、陰性血清30検体以上を用いて算出したカットオフ値(バックグラウンドMFI平均値+3×標準偏差)と実験感染血清でのMFI値との比較に基づき、シグナル/バックグラウンド比の高い抗原濃度をそれぞれに選択した結果、至適抗原濃度は5~40μg/ml、カットオフ値は400~1,000MFIに設定された。さらに、各抗原ビーズを混合し、単一反応ウェル中で血清反応を行ったところ、特異性や感度の損失なく抗体検査が可能であった。MHV、SV、MP、MNVの自然感染血清についてELISA法やIFA法との比較測定を行い、本法がこれらの既存法と同等以上の特異性と感度を有することが確認された。また、一種類の病原体について複数の組換え抗原で同時に検査できるため、本法は診断の精度向上にも有利であることが示唆された。以上のことから、本法によるマウス・ラット感染症の微量検査法の実用化の目処が立った。
|