2010 Fiscal Year Annual Research Report
精密な薬物送達のための標的集積・温度応答・可視化多重機能性ナノベシクルの創製
Project/Area Number |
19200040
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河野 健司 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90215187)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児島 千恵 大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 講師 (50405346)
青島 貞人 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50183728)
石坂 幸人 国立国際医療センター研究所, 部長 (30281687)
|
Keywords | ナノ医療 / ナノカプセル / ドラッグデリバリー / 可視化 / MRI / がん治療 / 診断 |
Research Abstract |
X線CT等によって体内挙動が検出可能な、可視化機能ベシクルとして、金ナノ被膜を有する脂質膜ベシクルの性能の改善を行った。抗癌剤ドキソルビシンを内包した温度応答性リポソームに金ナノコートを施すことに成功した。このリポソームの分散液に808nmのレーザー光照射することで、抗癌剤の放出を誘導できることを示した。このリボソームは金赤外光によって発熱して、抗癌剤を放出できることから、可視化機能、発熱機能、抗癌剤放出機能を有することから、患者個人に対して効果的で精密な癌治療への展開が期待できる。一方、末端にアルキルアミド基を有するデンドロン脂質を用いて、温度応答性を有するベシクルを開発した。このデンドロン脂質は低温ではベシクルを形成するが、特定の温度以上になると表面アルキルアミド基が脱水和して棒状ミセルや融合ベシクルに構造転移することが示された。また、生体適合性ポリマーであるポリエチレングリコール脂質を含有させると、その含有率の増大とともにベシクルの転移温度が上昇することがわかった。したがって、その組成を調節することで、体温付近でマイルド加温に応答するベシクルを作製できることが明らかになった。さらに、薬物モデルとして蛍光色素カルセインを封入した温度応答性デンドロン脂質ベシクルを作製して、その温度応答挙動を検討したところ、ベシクル転移温度以上においてカルセインの放出が促進されることがわかった。これらのことから、鋭敏に温度応答して形態転移する新しいタイプの優れた温度応答性薬物送達システムの開発に成功した。
|
Research Products
(39 results)
-
[Journal Article] Multifunctional liposomes having temperature-triggered release and magnetic resonance imaging for tumor-specific chemotherapy2011
Author(s)
K.Kono, S.Nakashima, D.Kokuryo, I.Aoki, H.Shimomoto, S.Aoshima, K.Maruyama, E.Yuba, C.Kojima, A.Harada, Y.Ishizaka
-
Journal Title
Biomaterials
Volume: 32
Pages: 1387-1395
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-