2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19200041
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 嘉浩 The Institute of Physical and Chemical Research, 伊藤ナノ医工学研究室, 主任研究員 (40192497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 洋 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 研究員 (80415067)
和田 章 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 研究員 (90443051)
吉田 靖弘 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教授 (90281162)
北嶋 隆 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 協力研究員 (40399556)
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Keywords | 成長因子 / タンパク質工学 / リボソーム・ディスプレイ / ケミカルライゲーション法 / ミスアシル化tRNA法 / 非天然アミノ酸 / キメラタンパク質 |
Research Abstract |
金属・無機材料に結合能をもつ成長因子タンパク質の創成にかかわる分子デザインについて検討を行った。その結果、(1)天然アミノ酸を用いるリボソーム・ディスプレイ法による進化分子工学法と(2)非天然アミノ酸も用いるケミカルライゲーション法あるいは(3)同じく非天然アミノ酸も用いるミスアシル化tRNA法の方法で新しいタンパク質の合成を行うことを企画することとした。(1)については、リボソーム・ディスプレイ法により酸化亜鉛に結合するペプチド配列を見出し、これを手始めにアビジンに遺伝子工学的に導入した。改変アビジンは酸化亜鉛表面に結合することをビオチン標識蛍光分子により確認した。(2)については、ムール貝の接着タンパク質中に含まれる非天然アミノ酸である3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)を含む活性部位ペプチドを数種類合成し、そのチタン、ガラス、ステンレスへの結合を測定したが、顕著な結合性を見出すことはできなかった。そこで、近年効果があると報告されたドーパミンによる表面修飾法を用い、金属表面を有機化処理した後、成長因子を光固定化する方法を試みた。ケミカルライゲーション法により血管内皮細胞成長因子にペプチドを導入することには成功した。(3)については、DOPAのような非天然アミノ酸を含むtRNAを合成し、これを遺伝子工学法により成長因子に導入し、金属や無機材料への結合性を付与することを考え、ミスアシル化tRNA合成法をいくつか試みた。第一はオリゴヌクレオチドの分子間トランスファー反応を用いる方法、第二は酵素反応を利用して非天然アミノ酸誘導体とtRNAを縮合させる方法、第三は天然アミノ酸アシル化tRNAを合成してからアミノ酸側鎖を修飾して非天然アミノ酸結合tRNAを合成する方法であり、それぞれ可能性を検討できるようにした。その他、材料の表面改質による生体相互作用(バイオインターフェイス、サイエンス)の基礎的検討を行った。
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