2007 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー識別能力をもつ医療用大面積X線画像検出器の開発
Project/Area Number |
19200044
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
安田 和人 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (60182333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ニラウラ マダン 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (20345945)
富田 康弘 浜松ホトニクス(株), 電子管事業部, 専任部員 (50394169)
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Keywords | テルル化カドミウム / 放射線検出器 / 有機金属気相成長法 / ヨウ素ドーピング / 自己補償機構 / 厚膜層成長 |
Research Abstract |
有機金属気相成長法によりSi基板上に直接成長したCdTe層を用いた,p-CdTe厚膜層/n-CdTeバッファ層/n^+-Si構造のヘテロ接合型ダイオードX線検出器について,検出性能およびエネルギー分解能の向上を目的として検討を行った。 検出感度向上にはp-CdTe層を100μm以上に厚膜化しX線吸収効率を増加すると共に,動作時にはこの層全体に電界を印加し,X線により発生したキャリアの取り出し効率を向上する必要がある。実用的バイアス電圧のもとでその条件を満足するためには,p-CdTe層中のイオン化不純物密度(N_A-N_D)を極力低減する必要がある。ここではp-CdTe層成長時にn型不純物であるヨウ素の添加を行い,その際に生じる自己補償効果を利用したN_A-N_Dの低減について詳細に検討を行った。その結果,N_A-N_Dを10^<13>cm^<-3>以下に低減できるヨウ素添加条件を見いだし,目的検出器の実現につながる大きな成果を得た。また本検討によりこれまで未解明であったCdTeの自己補償による高抵抗化メカニズムの詳細が明らかになりつつある。 また,検出器暗電流を低減しS/Nを向上するためには,n型CdTeバッファ層の電子密度を高くする必要がある。これまでSi基板上のCdTe層の電子密度制御に関する詳細な検討は未実施であったが,Si基板上でも再現性よく10^<16>cm^<-3>以上の電子密度を有するn型CdTe層が得られる条件を見いだした。 さらに上記の検討をふまえて試作した検出器では,まだ常温における検出特性には改善の余地があるものの,-30℃程度に冷却した場合には既に実用化されているCdeバルク結晶による検出器と比較して遜色のない良好なエネルギー分解能が得られることが確認できた。
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Research Products
(7 results)