2007 Fiscal Year Annual Research Report
誤嚥症状判定用溶液の作成による嚥下困難者の食のQOL向上
Project/Area Number |
19200051
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西成 勝好 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 特任教授 (10254426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道脇 幸博 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (40157540)
水沼 博 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (20117724)
大越 ひろ 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80060698)
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Keywords | 多糖類 / 粘度 / ずり速度依存性 / 嚥下障害 / 実験モデル / 嚥下ロボット / 食塊 / 咽喉の変形と移動 |
Research Abstract |
粘度のずり速度依存性が異なる溶液を作成するための準備をした。多糖類分子を超音波照射により切断し、各種分子量の試料を得ることができた。しかし、得られた量が十分ではなかったため、嚥下試験に用いることができる量を作成する方法を確立した。さらに、造影剤添加による粘度の変化、殺菌法を含めた長期保存法について検討した。 薬剤の開発で使用されている「動物実験」に匹敵する実験系として、嚥下時の口腔から咽頭、喉頭、食道を再現したロボットが有用であると考えられる。そこで、高速シネMRIとX線透視画像、内視鏡から、嚥下に関わる主な器官の動きを数値的に解析し、その結果に基づいて、舌と舌骨と喉頭蓋の形態と運動をシミュレーションロボットで再現した.再現した各器官は一体として動き、試験食品を咽頭まで送り込むことが可能であった。今後は、各部位の機構を改良して、咽頭を含めた嚥下運動を可能にする。 健常者が液状食品を嚥下したときのCineMRIの結果を用い、各時刻の2次元スライス画像から3次元形状を復元し,それらを時系列化する手法を開発した。これにより、2次元ではわかりづらい咽喉の変形と移動の挙動を明らかにすることができた。また、それらの時系列データーを数値解析用の有限要素データーに変換した。これにより、次のステップとして予定している嚥下時の食塊内部の流動状態を解析する準備が整った。 嚥下補助食品(剤)の評価基準となっているテクスチャー特性の「硬さ」および一回転数での粘度と、比較検討するため、比較的低粘度の食品を対象に、定常ずり粘度測定を行い、基礎的データを収集した。また、「硬さ」をヨーグルト程度に調整した嚥下補助食品について、定常ずり粘度測定および動的粘弾性の測定を行い、その特徴を捉える試みを行い、次年度の基礎的データとした。
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Research Products
(8 results)