2008 Fiscal Year Annual Research Report
誤嚥症状判定用溶液の作成による嚥下困難者の食のQOL向上
Project/Area Number |
19200051
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西成 勝好 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 特任教授 (10254426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 非常勤講師 (40157540)
水沼 博 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (20117724)
大越 ひろ 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80060698)
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Keywords | 多糖類 / 粘度 / ずり速度依存性 / 簡易シミュレーター装置 / 4-D MRI / 食塊 |
Research Abstract |
多糖類の酵素による低分子化により同じ濃度で定常ずり粘性の異なる試料を大量に調製する方法を確立し、昨年得ることのできた試料と併せて、自由自在とは言えないまでも、体温において、口腔内ずり速度およそ10から50s^<-1>程度で同じ粘度を示す試料を調製することができた。造影剤としては肺毒性のないヨウ素含有のものを用いて、試験担当者で試飲し、使えそうであるとの感触を得た。被験者の嚥下過程における咽頭部の傾斜角を一定になるようにする方法について検討し、レントゲンビデオ撮影時に被験者の全体像も撮影し、後にずり速度の解析に使える方法を検討した。 「4-DMRIに基づく咽頭部の運動と食塊流動の解析」と「食品の嚥下動作を検証する簡易模擬装置に関する研究」を実施した。前者の研究ではMRIに映像化されていない喉頭蓋とその運動をCT及びVF画像から取り出して3D化し、MRIに基づく3Dデーターと重ね合わせた。食塊もMRIに映像化されていないため、咽頭がぜん動様運動により食塊を送り込む運動を平板間のスクイーズ流れと近似し、そのずり速度を求めたところ10〜60s^<-1>と得られた。このずり速度は介護食のレオロジー特性を設計する上で重要であり、より詳細に検証するため、手動式の簡易模擬装置を試作した。喉頭蓋の動きの遅れにより誤嚥が生ずる動作を再現することができ、その有効性を確認できた。 嚥下補助食品の飲み込みやすさの評価をするにあたり、市販する際に提示されているとろみ表現に適した一般食品の検討を行った。一般食品(液状)のテクスチャー特性、定常ずり粘度測定、動的粘弾性の測定を行った。次に、代表的な嚥下補助食品を2%および3%添加した試料について、とろみ表現に多く用いられている「はちみつ」および「ヨーグルト」との比較を行い、その適格性について評価を行った。
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Research Products
(21 results)