2009 Fiscal Year Annual Research Report
アイスコア中の宇宙線生成核種による宇宙線と地球環境の変動史に関する研究
Project/Area Number |
19201003
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松崎 浩之 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60313194)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 祐典 東京大学, 海洋研究所, 准教授 (10359648)
笹 公和 筑波大学, 数理物質科学研究科, 講師 (20312796)
堀内 一穂 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (00344614)
村松 康行 学習院大学, 理学部, 教授 (70166304)
本山 秀明 国立極地研究所, 教育研究系, 教授 (20210099)
|
Keywords | 宇宙線 / 宇宙線生成核種 / 環境変動 / アイスコア / 加速器質量分析 |
Research Abstract |
前年度に引き続き,東京大学と筑波大学の加速器質量分析システムを利用して,^<10>Be,^<26>Al,^<36>Clのデータを取得し,以下のような知見を得た: 1)完新世のうち,4400~5400年前と9500~10500年前の^<10>Beを分析した結果,^<14>Cの生成率曲線とほぼ一対一で対応する変動曲線が得られた。これにより,5400~9500年前を除く完新世の約2/3の期間について,ドームふじアイスコアと他の古気候記録との詳細対比が可能となった。 2)最終氷期や最終間氷期の^<10>Be分析を継続した結果,太陽活動変動に由来する可能性のある百~数百年周期の^<10>Be変動を,継続して確認することができた。 3)前年度までに発見された67~68万年前の宇宙線イベントに注目して,^<10>Beの高時間分解能(~30年)分析を開始した。その結果,いくつかの^<10>Beのスパイクが見出された。 4)コア深層部での^<26>Alの分析を継続し,前年度に示唆された^<26>Al/^<10>Be初期比の長期一定性を,より詳細に確認できた。 5)最終氷期最盛期(Last Glacial Maximum:LGM)から完新世(Holocene)の初期に相当する南極ドームふじアイスコア試料の宇宙線生成核種^<36>Clの濃度を測定した。^<36>Cl濃度の平均は,LGMで16×10^3atoms g^<-1>, Holoceneで7×10^3atoms g^<-1>となった。LGMからHoloceneの期間の南極ドームふじでの<36>^Cl降下量は,2.5-3.5×10^4atoms cm^<-2>yr^<-1>と見積もられた。
|
Research Products
(16 results)