2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの生物資源モデルの構築と社会システムへの応用
Project/Area Number |
19201006
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
和田 英太郎 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球環境変動領域, 特任上席研究員 (40013578)
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Keywords | 東アジア / 一次生産 / 生元素循環 / 人間活動 / 生産 / 消費比率 |
Research Abstract |
繰越金は主として、下記に示したテーマ1及び国際会議参加費用として用いた。テーマ1を推進するために、ボスドク研究員として稲富素子博士を雇用した。 テーマ1東アジアにおける人口密度と基礎生産力の関係に関する解析 これまでの成果に基づいて東アジアにおける生態系・人間社会相互作用の纏めとして一次生産と人による食料・衣類の要求を可能な限り高解像度で行い地図化し、この地域における持続性のあり方について考察した。このため稲富素子氏(独)海洋研究開発機構地球環境変動領域)をポスドク研究員として採用し、グローバルスケール(分解能0.5°×0.5°)のVISITモデルの結果と人口データを用いて、単位人口あたり利用可能な一次生産量を1995年から2015年の期間について5年間隔で計算しマップ化を行った。次に、VISITモデルの結果を国別に集計・解析し、東アジアにおける人間活動が物質循環に与える影響の評価を行った。この結果アジアにおいて、現在日本・中国・インドにおいて一次生産をヒトによる消費が上回り、中国とインドでは温室効果ガスである二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素の放出が今後増加してゆくことが明らかとなった。 補足的に テーマ2モンゴル草原とバイカル湖集水域の窒素・炭素同位体による食物連鎖の解析を進め、窒素・炭素循環や栄養段階の同位体効果に関する新しい知見を得、スペインのマケドニア(オーリッド)で開催された国際会議「Speciation in Ancient Lakes 5(SIAL5)」において「Isotopic Structure of Two Food Chains in L. Baikal Watershed」というタイトルで発表した。
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