2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタンナノ粒子の安全性評価とその光触媒反応を利用した環境浄化に関する研究
Project/Area Number |
19201015
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 和仁 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (00172859)
|
Keywords | 酸化チタン / ナノリスク評価 / ナノ粒子 / 環境浄化 / 土壌浄化 / 水浄化 / 光触媒材料 |
Research Abstract |
1.われわれは、環境浄化に用いるための光触媒材料として、光触媒シートや酸化チタンシラスバルーンを作製してきた。環境浄化に用いるため、安全で安心な材料であることが重要である。酸化チタンはナノ粒子であるため、リスク評価のひとつとしてナノリスク評価が必要と考え、光触媒シートからの酸化チタンナノ粒子の暴露量についての知見を得ようと試みた。光触媒シートに強制的に窒素ガスを流し暴露させ、発生したエアロゾルにふくまれる酸化チタン量の定量を行った。その結果、光触媒シートから暴露される酸化チタンナノ粒子は、NIOSH(0.1mg/m^3)やAIST(1.2mg/m^3)などから提案されている許容量の1/50、1/100量しか観察されず、暴露量は問題にならないほど少量であることが示唆された。 2.環境浄化に関する研究のうち、土壌浄化についてはナノリスク評価を行った光触媒シートを用いて、地下土壌がVOCsに汚染されている操業中のクリーニング店で浄化実験を行い、開発した浄化システムを稼動させることによって、地下のVOCs濃度の減少が確かに観察され、徐々にではあるが、浄化の効果を確認した。 3.水浄化については、作物の養液栽培での排培養液の浄化に適した光触媒材料として酸化チタンシラスバルーンを作製した。その材料を用いて、実際のトマト栽培農家から排出される排培養液を用いて浄化実験を行ったところ、トマトの根から排出される生育阻害物質を分解・不活化できることがわかった。排培養液を循環利用した栽培が低コストである酸化チタンシラスバルーンで可能であることがわかった。
|
Research Products
(9 results)