2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機-金属ヘテロナノ界面の新規創成法の確立と光・電子物性機能
Project/Area Number |
19201020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
及川 英俊 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (60134061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増原 陽人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30375167)
若山 裕 (独)物質・材料研究機構, 半導体材料センター, 主席研究員 (00354332)
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Keywords | 光触媒還元法 / ハイブリッド / ヘテロナノ界面 / 有機・高分子ナノ結晶 / ポリジアセチレン / 表面プラズモン / コアーシェル型ナノ結晶 / 直接接合 |
Research Abstract |
本研究課題では,光触媒還元法を極めて汎用性の高い有機-金属ヘテロナノ界面の新規創成法として確立し,共役系有機・高分子コアー金属シェル型ハイブリッドナノ構造体における特異な光・電子物性機能を解明することを主目的とした,本年度の研究成果を以下にまとめる. (1) ポリジアセチレンナノ(PDA)結晶をコアに,金属ナノシェル構造の作製を系統的に行いPDAを始め有機ナノ結晶コアの光触媒能を明らかにした.特に,金属錯体イオンの配位子交換により酸化還元電位を制御することが重要であった.その結果,銀,白金またはパラジウムのナノシェル構造作製に成功した.光触媒能は有機ナノ結晶コアの光電流特性に強く依存することが明らかとなった. (2) 金属種によるナノシェル表面におけるラフネスの差異は金属イオンの酸化還元電位と対応する金属の仕事関数との関係で解釈することができた.PDAナノ結晶コア内で可視光励起した電子のアクセプター準位が酸化還元電位あるいは仕事関数によって,その後の還元・析出挙動が異なった.より平坦化するためには,上記項目(1)での配位子設計を適切に行い,仕事関数の準位を酸化還元電位より低くすることが重要である. (3) 同手法を用いて,PDA以外のπ-共役系高分子ポリアルキルチオフェンナノ粒子をコア,白金をナノシェルとする複合体作製にも成功した. (4) 一方,メカニズムの解明とともに,光触媒還元法では原理的に作製が困難な場合は無電解メッキ法を改良することで,バナジルフタロシアニンナノ粒子の金あるいは白金ナノシェル複合体の作製にも成功した.
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