2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機-金属ヘテロナノ界面の新規創成法の確立と光・電子物性機能
Project/Area Number |
19201020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
及川 英俊 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (60134061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増原 陽人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30375167)
中西 八郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 名誉教授 (50240651)
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Keywords | 光触媒還元法 / ハイブリッド / ヘテロナノ界面 / 有機・高分子ナノ結晶 / ポリジアセチレン / 表面プラズモン / コアーシェル型ナノ結晶 / 直接接合 |
Research Abstract |
本研究課題では、光触媒還元法を極めて汎用性の高い有機-金属ヘテロナノ界面の新規創成法として確立し、共役系有機・高分子コア-金属シェル型ハイブリッドナノ構造体における特異な光・電子物性機能を解明することを主目的とした。本年度の研究成果を以下にまとめる。 (1)光触媒還元法を用いて作製したポリジアセチレン(PDA)コア/銀シェル型ハイブリッドナノ結晶において、PDAコア表面に析出したシェル、すなわち銀ナノ粒子を助触媒・反応場として用い、PDAコア/金シェル型ハイブリッドナノ結晶の作製に成功した。金ナノ粒子の生成は、粉末法XRD、EPMA、SEM/TEM-ED、光消失スペクトルによって同定された。 (2)PDAコア/金属シェル型ハイブリッドナノ結晶の薄膜作製法として、前年度までの静電吸着法に代わり、Tapered Cell法が非常に有効であることを見出した。この場合、Cell基板には適当な高分子電解質を予めスピンコートして置く。これによって薄膜作製時間が大幅に短縮されるとともに、散乱損失の極めて低い、光学的に高品質な薄膜が得られた。 (3)このTapered Cell法で作製したハイブリッドナノ結晶薄膜を用いて、Z-Scan法による評価を行った結果、三次非線形光学感受率の向上(1~2桁)が示唆された。これは金属ナノシェル構造による局在型表面プラズモンに由来する光電場増強効果によるものと推定された。
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