Research Abstract |
シリコンをTetra Methyl Ammonium Hydroxide(TMAH)水溶液でエッチングするさいに,微量の界面活性剤がエッチング特性,特に,エッチングの異方性を変えてしまう現象について研究した.昨年度までの研究で,エッチレートの結晶方位依存性の変化を把握してきたが,平成20年度は,界面活性剤(Triton X100)がどのようにしてエッチングの異方性を変化するかのメカニズムの一端を解明した.すなわち,この界面活性剤はエッチング中にシリコンの特定の結晶方位に選択的に吸着してエッチング速度を低下させることを,世界ではじめて観測した.吸着の観測には,in-situ FTIR(Fourier Transform Infra-Red)Spectroscopyを用いたが,これは今年度から新たに共同研究者として加わった,東北大の協力に依るところが大きい. 一方,この現象のMEMS加工技術への応用として,任意の曲線パターンを有するシリコン単結晶梁構造を,TMAH水溶液によるウェットプロセスだけで製作できることを見出したので,その基本プロセスを特許出願した. 以上の成果は,学術会議論文12件,学術雑誌論文7件,招待講演3件として公表済み,あるいは発表決定している.
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