2007 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド技術経営-ITの自己増殖機能の内生化と製造技術との共進
Project/Area Number |
19201030
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 千仭 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (60220901)
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Keywords | ハイブリッド技術経営 / IT自己増殖機能 / 内生化 / 共進化 / イノベーション軌道 |
Research Abstract |
1.本研究は、日本企業の技術経営戦略において、市場における自己増殖機能を内包するITの機能を企業内に取り込み、これを独自の優位性を誇る製造技術と融合させつつ共進的(共に啓発しあう好循環)に発展させる(これを「共進的内生化」という)ようなハイブリット技術経営が鍵となるとの認識に基づき、この共進的内生化の(1)メカニズム,(2)最適融合条件、(3)企業や業種等に応じた特性や属性,及び(4)発現方法を明らかにすることをねらいとする。 2.このため、3年計画の初年度である平成19年度においては、 (1)世界最先端の研究者を包摂する国際共同研究ネットワークの確立, (2)国際ワークショップ等による最先端研究のレビュー,先行関連研究の本研究への適応性の検証, (3)共進的内生化をあらわす分析モデル開発の推進及び (4)同モデルを用いた実証分析の準備に邁進した。 3.その結果、 (1)携帯電話、Web2.0へのシフト及びハイテク企業のハイテク製品等を対象とした動態的市場学習関数及びスピルオーバー技術同化関数の開発, (2)イノベーション軌道関数の基本となる普及過程における新機能創出のダイナミズムの解明・モデル化, (3)代表的ハイテク企業を対象とした共進的内生化のメカニズムとその効果の計量的分析、を行い、開発途上段階ながら共進的内生化のメカニズム解明等の研究を啓発する注目すべき成果を挙げて、47件におよぶ内外学会に報告すると共に、積極的に国際学術誌等に発表した(事前の研究準備段階に投稿したものを含め、平成19年度に掲載・同決定された論文は28件におよぶ)。
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