2007 Fiscal Year Annual Research Report
積雪寒冷地にある破砕性帯水斜面の崩壊予知・災害危険度評価システム確立に関する研究
Project/Area Number |
19201035
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三浦 清一 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (00091504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤川 敏 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特任教授 (90360932)
石川 達也 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60359479)
川村 志麻 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (90258707)
横浜 勝司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50299731)
伊東 佳彦 (独)寒地土木研究所, 上席研究員 (70360352)
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Keywords | 寒冷地 / 火山灰質土 / 凍結・融解作用 / 斜面崩壞 / 粒子破砕 / 地盤防災 / 室内要素試験 / 数値解析 |
Research Abstract |
(1)自然斜面の現場計測と解析の実施 積雪寒冷地の斜面崩壊危険箇所(災害履歴有)にある自然斜面(国道274号上川郡清水町字美蔓、国道453号千歳市支笏湖畔)において、土壌水分計、土壌水分センサ、傾斜計、テンシオメータ、層別沈下計等を設置し、計測を始めた。両地点におけるこれらの計器は、気温等の気象変動による帯水斜面内の水分挙動の変化等を明確に探知していることが示された。3年間の観測データを基に斜面不安定化要因とその予知方策を究明する確実な手がかりを得た。 (2)凍結融解履歴載荷型三軸試験と不飽和三軸試験の実施 非凍上性の火山灰質粗粒土でも破砕性を有する場合には、凍結・融解作用によりその構成粒子の破砕性は顕著となり、凍結時に粒子破砕が生じ融解時に体積収縮する結果、密度が増加するにも関わらず、飽和・不飽和土の剛性や強度は低下し、保水性は高まった。また、凍結融解履歴が粒子破砕性に及ぼす影響は低圧密レベルで顕著となり、ある圧力以上ではその影響は消失する。このことは、斜面の表層部では地盤構成材料の力学的劣化がもたらされやすい傾向にあることを示唆している。 (3)降雨や凍結融解などの自然条件を再現した模型斜面の崩壊実験の実施 一連の破砕性帯水地盤材料の室内模型試験より次の事実が示された。 (1)斜面表層崩壊は不透水層底部からの水位の上昇だけでなく、斜面内の飽和度の発達の仕方に影響される。このため、(2)斜面内の不透水層の位置と形状は斜面安定性に決定的な影響を及ぼす。また、(3)凍結・融解履歴を与えた火山灰質土斜面は、その過程において顕著な水分移動が起こり、凍結層と非凍結層を境界として構造の変化(密度変化)が生じる。(4)このことが斜面表層崩壊に与える影響は極めて大きいが、斜面表層崩壊に及ぼす融解時の速度勾配の影響は小さい。
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Research Products
(3 results)