2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19201036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河崎 善一郎 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (60126852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛尾 知雄 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50332961)
森本 健志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (60403169)
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Keywords | 自然現象観測 / 気象学 / 大気電気学 / 観測ネットワーク / レーダ |
Research Abstract |
雷放電路の可視化装置であるVHF帯広帯域は、前年度までに機能向上をほぼ完了している。今年度は、観測結果に重大な影響を及ぼす系統誤差の定量的な評価を行った。また、この系統誤差を取り除くため、送信源が既知であるFMラジオ放送波を用いた較正手法の提案とその検証を行った。その結果、商用放送波を用いた較正手法の適用可能性を実証し、方位角の推定精度については低仰角であるほど精度が高いのに対し、仰角の推定精度は高仰角であるほど精度が高く、方位角に高く依存することが明らかとなった。この結果を考慮した新たなアンテナ配置の試行を、検証データの取得頻度と観測地点の環境から北陸地方において実施している。 Ku帯広帯域レーダは、出力を上げ観測点から15km以内の領域を、最小20dBzの感度で観測を行うことを目標に改良を行い、鹿児島県での実観測においてこれを達成したことを実証した。データ処理系も充実させて、1分以内にボリュームスキャンしたデータを、1分以内に表示することを可能とした。また、それぞれ別地点に設置しているレーダと干渉計の観測結果を、それぞれのサイトで一次処理したデータを転送し、統合データとして配信するシステムを構築した。現時点で更新間隔は2分を実現している。 物理モデルの構築では、非静力学モデルによる数値予報で導かれるパラメータに、粒子同士の衝突とこれによる電荷分離の効果を追加し、雷雲内電荷分布モデルの開発を行った。発雷時の電荷分布構造がよく再現されており、実観測結果との比較においても構築したモデルの妥当性が示されている。
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Research Products
(17 results)