2007 Fiscal Year Annual Research Report
航空機を用いた力学・熱力学場の直接観測による台風の予測可能性に関する研究
Project/Area Number |
19201037
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
中澤 哲夫 Japan, Meteorological Research Institute, 台風研究部, 室長 (20343890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪木 和久 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 准教授 (90222140)
斉藤 和雄 気象庁気象研究所, 予報研究部, 室長 (70391224)
榎本 剛 海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, 研究員 (10358765)
別所 康太郎 気象庁気象研究所, 台風研究部, 主任研究官 (00354481)
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Keywords | 台風 / 最適観測法 / 航空機観測 / 予測可能性 / アンサンブル予報 / THORPEX / 台風の進路予報 / インパクト実験 |
Research Abstract |
今年度は、来年度実施予定の航空機による台風観測に向けて、以下の3点で準備を行った。1.台風の最適観測来年度実施する航空機による台風観測のため、航空機の飛行のための諸手続き、飛行最適経路の模擬実験、そして、航空機からのドロップゾンデ投下の模擬実験を行った。日本からの航空機のほか、米国から2機、DOTSTAR(Dropsonde Observation for Typhoon Surveillance near the TAiwan Region)から1機が台風観測に参加するため、特別観測の実施や経路、観測対象の決定などについて、調整を行った。2.最適観測のインパクト実験高解像度領域モデルによるダウンスケール実験のため、全球週間アンサンブル予報から初期値摂動を作成する15km非静力学領域モデルによる日本域アンサンブル実験を実施し、予報結果の検証を行った.気象研究所でターゲット域を変えて全球特異ベクトルを求めて、非静力学領域モデルに与えるアンサンブル実験を行い、降雨予測の検証を行った。全球週間アンサンブル予報から領域モデルの側面境界条件に摂動を付与するための開発を行った。アンサンブル再解析データALERAの初期摂動としての性質について調べ、成長モード育成法(BGM)により作成された週間アンサンブル予報の初期擾乱と比較した。ALERAの初期摂動は、BGMによる擾乱に見られる熱帯域の過大な振幅がなく、空間的に小さなスケールの微小振幅の擾乱が数日以内に熱帯域で卓越する東西波数1及び2の擾乱に成長することを確認し、熱帯域の擾乱として優れた性質を持つことを明らかにした。3.台風の構造変化と進路への影響ドロップゾンデ観測データが台風進路予報結果に与える影響と、特異ベクトル法による感度解析の利用可能性を調査した。DOTSTARが2004年6月8日12UTC初期時刻の台風CONSONを対象に行った特別観測のデータを用い、気象庁全球数値予報システムで観測システム実験を行った。その結果、観測データは台風進路予報の改善に寄与した。また、進路予報の改善には感度領域内のドロップゾンデデータだけで十分であったことから、開発された特異ベクトル法は感度解析手法として有効であることが分かった。進路の改善には、台風南東象限の、台風中心から約300〜500キロの領域で風と水蒸気場が貢献したと考えられる。
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Research Products
(26 results)
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[Presentation] Typhoon Targeting and Recurvature2007
Author(s)
Nakazawa, T. and M. Yamaguchi
Organizer
Planning Workshop for the THORPEX Pacific Asian Regional Campaign(T-PARC), Tropical Cycle Structure(TCS-08)and Other Collaborative Experiments
Place of Presentation
米国・ハワイ
Year and Date
2007-12-04
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