2007 Fiscal Year Annual Research Report
精子幹細胞の遺伝子改変によるノックアウト動物の作成
Project/Area Number |
19201040
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 隆司 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (30322770)
|
Keywords | 精子形成 / 幹細胞 / ノックアウト / オクルジン |
Research Abstract |
今年度は精子幹細胞を利用した新しい遺伝子破壊法を報告した(Takehashi, et. al. Dev Biol. 2007).精巣から樹立したmultipotent germline stem cell (mGS)細胞において相同組み替えを誘導し、オクルジン遺伝子を破壊したmGS細胞を胚盤胞へとマイクロインジェクションし、生殖系列細胞へと分化を行った。生殖系列における遺伝子改変を行った個体同士を交配し、オクルジン遺伝子をホモ個体として欠損したマウスを作成したところ、胚盤胞由来のembryonicstem(ES)細胞を用いて作成したオクルジン欠損個体と同じ表現形(男性不妊、慢性胃炎、骨粗鬆症など)を示した。この方法はES細胞、核移植、GS細胞に引き続く4番目の遺伝子破壊個体作成方法であり、今後mGS細胞をさまざまな動物種で樹立した揚合に利用することが可能であることが期待される。 このようにGS細胞、mGS細胞はともに遺伝子破壊に利用できることがわかったが、GS細胞は長期間の培養において非常に安定であるのに対し、mGS細胞は8番もしくは11番染色体トリソミーを起こすことを見いだした。また、mGS細胞はES細胞と同様にone alleleを破壊された細胞を高濃度のG418で培養することでdouble knockout細胞を作ることができることも明かになった。一方、GS細胞は同様な方法を適用しても細胞死がおこることから、GS細胞とES/mGS細胞は異なる遺伝子制御機構を持っていることが示唆された。
|