2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19201044
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
影近 弘之 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・疾患生命科学研究部, 教授 (20177348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 智也 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 助教 (20396980)
山本 恵子 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (90147017)
首藤 紘一 (財)乙卯研究所, 所長 (50012612)
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Keywords | 遺伝子転写制御 / 核内受容体 / ケミカルバイオロジー / レチノイド / 不飽和脂肪酸 / ビタミンD / 蛍光プローブ / 化合物ライブラリー |
Research Abstract |
遺伝子転写機構に関する研究は近年著しい進歩を遂げ、多くの転写因子が同定され、その機能が解明されつつある。核内受容体はリガンド依存的転写因子として重要な生命現象に関与する特定の遺伝子の転写を制御しており、その多くが癌、リウマチ、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病および自己免疫疾患や心血管系疾患の発症と治療に関与している。本研究では、個々の核内受容体が発揮する多彩な機能を特異的に制御もしくは検出する化合物を創製し、それをプローブとしたケミカルバイオロジー研究を展開することにより、核内受容体を分子標的とした創薬開発基盤を確立することを目的とする。本年度は以下の項目を行った。 1)レチノイドの構造活性相関を吟味し、新規レチノイド核内受容体リガンドを創製した。In silico法をにより同定されたリガンド候補化合物を構造展開することにより、新規アゴニスト、アンタゴニストを見いだした。 2)幾つかの核内受容体が不飽和脂肪酸をリガンドとすることが知られている。不飽和脂肪酸をリード化合物として、cis型二重結合を他の構造に変換した誘導体を合成した。合成した化合物の幾つかが核内受容体LXRのアゴニスト活性を有していた。 3)ビタミンDの核内受容体VDRリガンドとして、seco-ステロイド骨格を持たない化合物の創製を行った。seco-ステロイド骨格のCD環のかわりにカルボランを導入した化合物を種々合成した。その結果、、19-nor型の活性型ビタミンDと同程度の活性を持つ化合物をみいだした。 4)細胞内情報伝達ネットワーク解析のための蛍光プローブ開発の基礎研究として、クマリンを基本骨格とする蛍光性化合物ライブラリーを構築した。このライブラリーの化合物の蛍光特性を精査した結果、ペプチダーゼやNOを標的とした蛍光センサーへ応用しうる化合物を同定した。
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