2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
Development of Novel Ligand for Glutamate Receptors Using Natural Neurotoxins as the Structural Motif
Project/Area Number |
19201045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
OHFUNE Yasufumi Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (20142078)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Keywords | カイトセファリン / カイニン酸 / グルタミン酸受容体 / アンタゴニスト / NMDA型受容体 / 全合成 / エステル交換反応 / 連続マイケル付加環化反応 |
Research Abstract |
L-グルタミン酸(Glu)は哺乳動物の脳・中枢神経系における主要な興奮性神経伝達物質であり、グルタミン酸受容体(GluRs)は運動や反射、記憶・学習、認知などの高次神経機能の形成、さらには脳虚血などによる脳・神経細胞死に連なる重篤な脳・神経疾患の引き金を引く。したがって、GluRsのアゴニストやアンタゴニストの開発は、脳・神経機能研究のためのツール分子や神経細胞死を抑える脳保護薬の創製の見地から急務とされている。カイトセファリンは天然由来としては初めてのイオンチャネル型GluRsアンタゴニスト活性をもつ化合物として単離された。これまでのカイノイド類など天然神経毒にはない神経活性と極性官能基が密集した構造特性を内包していることから、新世代のGluRsリガンドとして、また脳・神経疾患の治療薬のリード化合物として期待がもたれている。一方、微生物が生産する微量産物であり、さらに生産菌がその生産を停止したため、神経薬理学的詳細の解析にはカイトセファリンの全合成による量的供給と構造活性相関研究が待望されていた。そこで、本研究では、(1)効率的な合成経路の開発によるカイトセファリンの量的供給と各種誘導体合成、及び(2)カイトセファリンと代表的な神経興奮毒アミノ酸であるカイニン酸、アクロメリン酸及びダイシハーベインなどの構造をモチーフとしたGluRs選択的リガンドの設計・合成を行い、選択性に優れたリガンドの開発による神経科学研究のためのツール分子や脳保護薬のリード化合物の創成に取り組んでいる。
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