2009 Fiscal Year Annual Research Report
推論機構の言語的実現とその解釈メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
19202012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田窪 行則 Kyoto University, 文学研究科, 教授 (10154957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山 祐嗣 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (80202373)
松井 理直 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (00273714)
有田 節子 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (70263994)
坂原 茂 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (40153902)
郡司 隆男 神戸松蔭女子大学, 文学部, 教授 (10158892)
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Keywords | 推論 / ロジスティック回帰 / 条件文 / 池間方言 / 係り結び / 非条件性 / 認識モダリティ / 疑問文 |
Research Abstract |
unconditionality(非条件性)という概念に関する様相意味論的研究を進め、有田がStefan Kaufmannと共同で、ブダペシュト(ハンガリー)で行われたThe Tenth Symposium on Logic and Languageにおいて発表した。 推論の確率的な性質について研究を行った。客観的な真理と「正しいと信じること」を区別し、両者の関係がP=(1+exp(aT-bN)^<-1>として表現できることを証明した。なお、aTは対象の物理情報量を、bNは知覚を阻害するノイズ要因の量を示す。これにより、一般的な条件文と反事実条件文の信念強度を共通の計算によって扱えるようになった。 7月に京都大学で推論とモダリティの関係についてのワークショップを行った。9月に海外共同研究者のStefan Kaufmannを招き、疑問文のダイナミック意味論に関する4時間のtutorialを行った。このtutorialは撮影され4時間のDVDとして記録された。また同じ時期に他の海外共同研究者(Cleo Condoravdi、Christopher Kennedy、Ede Zimmermann)も招き、推論とスケール、曖昧性に関するワークショップを行った。 宮古島池間方言、シベ語、韓国語(ソウル方言、済州島方言)の調査を行い、音声、映像ファイルにすると同時に、その内容を書き起こしデータベース化した。これらのデータから、従来宮古方言には存在しないとされていた係り結び現象が、宮古島池間方言に存在することを初めて明らかにし、その現象とモダリティ要素が密接に関連することを示した。その成果をカリフォルニア大学ロスアンジェルス校等で講演した。また、韓国語のモダリティに関して考察し、認識的モダリティの全称的なものはアブダクティブな解釈ができない限り疑問にできないことを示した。その内容を韓国で開かれた学会で発表した。
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Research Products
(25 results)