2008 Fiscal Year Annual Research Report
「先住民族の権利に関する国連宣言」の国内的実現に係る総合的・実証的研究
Project/Area Number |
19203002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
常本 照樹 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 教授 (10163859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 雅寿 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90215731)
桑山 敬己 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50288057)
長谷川 晃 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90164813)
辻 康夫 北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (20197685)
山崎 幸治 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 助教 (10451395)
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Keywords | 先住民族 / 国際連合 / 国連宣言 / アイヌ民族 / マオリ / 台湾 / 原住民族 / 北海道ウタリ協会 |
Research Abstract |
先住民族の権利に関する研究を巡る環境は大きく変化してきている。2007年9月13日に「先住民族の権利に関する国連宣言」が採択されたことに始まり、08年6月6日には衆参両院が「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を全会一致で行い,これを受けて内閣官房長官が「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」を設置して具体的な政策の検討に踏み込むこととなり、研究代表者(常本)もその委員となった。 官房長官により、懇談会は、国連宣言を参照し、かっ諸外国における先住民族政策等を整理して、それらを踏まえてアイヌ政策を検討するよう指示されている。本研究の目的は、研究計画調書に記載したとおり「日本及びアイヌ民族にとって最適な国連宣言の受容のあり方を探ること」であることから、08年度以降の研究は、この懇談会の動きと連動しつつ進めることとなる。 2008年は、国連先住問題常設フォーラムにおける国連宣言実施に向けた動き、ニュージーランド・マオリに係る国内施策の現状、イギリスでの民族的マイノリティ政策を現地調査した。また、台湾における原住民族政策の研究を継続し、政治大学原住民族研究センターとの共同研究を進めたほか、6月に原住民族委員会の副主任委員(副大臣)を招いてシンポジウムを開催し、11月に台湾中央研究院主催のシンポジウムで研究報告を行った。その他、横田洋三(国連人権小委委員会委員)による国連宣言について、また研究代表者による先住民族の意義について、さらにジェフ・スピナー=ハレヴ(ノース・カロライナ大教授)による先住民族への謝罪に関する諸問題についてなど、研究会を開催した。さらに、国連宣言の具体的実現のために、北海道ウタリ協会と協力し、アイヌ民族の直面する現実的課題について聞き取り調査を行うとともに政策課題の検討を行った。
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Research Products
(26 results)