2007 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス廃棄物の適正処理およびエネルギー利用による中国の統合的流域管理政策
Project/Area Number |
19203014
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
氷鉋 揚四郎 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (90189762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正秀 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (00350744)
渋澤 博幸 豊橋技術科学大学, 工学部, 准都授 (70291416)
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Keywords | 環境政策 / 廃棄物処理 / 解析・評価 / 水質汚染 / 土壌汚染防止 / 浄化 / 国際協力 |
Research Abstract |
今年度は、バイオマスプラント技術およびその投資効果評価のためのシミュレーションモデル(動学的総合評価モデル)の開発を行なった。モデルの構成は、まず対象流域圏内にバイオマスプラントや廃棄物処理技術、汚染除去産業を個別産業として含むいくつかの経済主体を設定し、次にそれぞれの部門の経済活動(原料の購入、生産、消費、排出、納税、貯蓄、投資など)を、物質・価値(貨幣)・エネルギーの三つの収支に着目し制約式として表現する。自然界でも水系については、水資源と水質汚濁物質の循環をモデル化した。これらの制約式を全て満たした上でポテンシャル関数(地域総生産などの経済指標)を最大化(または最小化)し、経済的インセンティブに基づく各部門の活動量を求めることが次年度以降に行うシミュレーションの内容である。水質、GHG削減を中心とする環境制約をデルに導入し、その制約値を変えて様々な解を導出することにより、環境と経済のトレードオフ関係が明らかになり、またバイオマス関連技術を中心とする新しい環境修復技術の効果をそのトレードオフ関係のシフト量として評価することが出来る。また、ゾーンモデルとして空間的な情報を盛り込むことにより、このようなモデルでは従来難しかった分散型システムの適正な評価が可能となった。 中国側共同研究者と連携し中国で普及可能な低コスト型バイオマスプラントに関する技術情報を整理中である。また、テストモデルの対象地域を浙江省嘉興市南湖区とし、地域特性に関するデータの収集を行なっているが、信頼できる整備されたデータが存在しておらず、中国側の協力を得て現地での実地調査を次年度に実施する。 事業モデルについては、既に水汚濁排出権取引の嘉興モデルの枠組みが構築されており、これにCO2排出権取引、CDMなどをリンクさせたビジネスモデルを検討中である。
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Research Products
(14 results)