2008 Fiscal Year Annual Research Report
地方財政のガバナンスとシステム改革に関する総合的研究
Project/Area Number |
19203016
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Research Institution | Institute of Statistical Research |
Principal Investigator |
宮川 公男 Institute of Statistical Research, 理事長 (60017473)
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Keywords | 地方財政 / 交付税 / 地方債 / 財政健全化 / 行政改革 / ガバナンス |
Research Abstract |
本年度は自治体における長期的な財政持続可能性の確保及びそのための財政システム改革の実態と課題を明らかにするため、全都道府県及び市町村を対象に質問紙法によるアンケート調査を実施した。いわゆる「夕張ショック」により財政の健全化対策が各自治体で進められているが、自治体財政は税源・補助金・交付金の三位一体改革に象徴されるように国の財政と密接不可分の関係にあり、分権政策やその効果は国と自治体の役割分担や税負担・配分と一体的にとらまえて把握する必要がある。そのため、地方財政に関する認識、国と自治体の関係、地方財政改革への取り組みに関する包括的な調査を実施した。約7割の自治体の首長から回答があり、多くの自治体財政が悪化していること、その要因は三位一体改革にあること、自治体合併や分権推進の補完性原理の考え方については自治体間で相当程度意見のばらつきがあることがわかった。特に、自治体の人口規模が合併効果や分権への肯定的評価及びNPMにみられるシステム改革への賛同度合いに影響しており、30万以上で肯定的評価が多数派になる一方、小規模自治体では否定的評価が多く、自治体特性に応じた分権政策や財政政策を推進していく必要が判明した。同時に、自治体への実態調査により世界同時不況による税収等の落ち込みとそれへの対応策につきヒアリングを行った。また、米国等の地方債及び破綻法制の取り組みにつき調査するとともに、国際学会で中間成果を発表した。
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