2009 Fiscal Year Annual Research Report
変貌する日本企業の統治構造とパフォーマンス:企業組織・所有構造・市場競争と補完性
Project/Area Number |
19203017
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮島 英昭 Waseda University, 商学学術院, 教授 (60182028)
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Keywords | 企業の統治構造 / 企業のパフォーマンス / 企業組織 / 所有構造 / 市場競争 / M&A / 企業金融 / 企業文化 |
Research Abstract |
前年度までに収集した早稲田コーポレートガバナンスデータをさらに整備する一方、そのデータに基づく分析を進め、成果のとりまとめを進めた。具体的には以下の分析を試みた。 1)内部ガバナンスと企業組織の総合的な理解 第1に、日本企業の事業ポートフォリオの変更、持株会社への移行、カンパニー制の導入、完全子会社化などの改革が、企業統治といかなる関係にあるかを解明した。第2に、近年政策的議論の対象となった上場子会社のガバナンス問題に関して包括的な独自のデータベースの構築し、近年そのコストがベネフィットを実際に上回ったか否かを分析した。また、第3に、外部取締役の導入の効果に関しては、齋藤研究連携者が包括的な分析を進めた。 2)株主所有の進化と外部ガバナンスと内部ガバナンスの補完性 経営者の規律付けの重要なメカニズムである株主所有構造については、第1に、1997年の銀行危機移行の株式保有構造の変化の実態を解明した。2000年代以降の外国人投資家の増大、持合いの「復活」、世界経済危機後の外国人投資家の撤退の分析を進めた。第2に、研究代表者・宮島が、Julian Franks(LBS),Colin Mayer(Oxford)研究協力者とともに、日本の所有構造の進化の分析を進め、学術誌へ投稿した。さらに、その成果を前提に、日・独・英3国間の国際比較の分析に歩を進めている。 3)企業統治と企業行動(R&D)、財務選択、雇用調整 企業統治が企業行動に与える影響の分析を試みた。第1に、企業統治構造の変化がR&D投資に与える影響を、研究代表者と蟻川研究連携者・河西研究協力員(早稲田大学商学部助手)とともに分析した。第2に、広田研究連携者が企業統治と財務選択、また、久保研究連携者が雇用政策と配当政策の分析をそれぞれ進めた。
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