2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19203024
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
桜井 久勝 Kobe University, 経営学研究科, 教授 (10127368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 一幸 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00171273)
大日方 隆 東京大学, 経済学研究科, 教授 (20224305)
中野 誠 一橋大学, 商学研究科, 教授 (00275017)
八重倉 孝 法政大学, 経営学部, 教授 (90308560)
音川 和久 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90295733)
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Keywords | 会計情報 / 投資意思決定有用性 / 効率的市場仮説 / 企業価値評価モデル / 割引キャッシュフロー・モデル / 残余利益モデル / 資本コスト / 会計発生高 |
Research Abstract |
本研究の課題は、会計ビッグバンを経て充実してきた現在の財務報告制度と、各種の企業価値評価モデルを出発点としながら、会計情報を活用した企業価値評価を実践するプロセスに焦点を当てて、関連する各種の問題を総合的に研究することである。最終年度である本年度は、これまでの研究成果を踏まえて、更なる研究の精緻化を進めた。具体的には、常に完全ではないにせよ、効率性の高い証券市場での現実の株価形成に対して、あるべき市場価格ともいうべき株式の本源的価値を各種の企業価値評価モデルに基づき算定することの意義、残余利益モデル、配当割引モデル、割引キャッシュフロー・モデル、株価乗数モデルなど、企業価値評価のために考案されてきた各種の評価モデルの優劣比較、およびそれら企業価値評価モデルの実践適用に際して必要となる利益、配当、資本コストなどのインプット・データの諸特性や将来数値の予測のあり方について、多方面にわたる検討を加えた。本研究の成果の中には、投資利益の獲得に向けて投資者の意思決定を促進することになるような知識も少なからず含まれている。しかし、本研究の意義は、投資者が個人的な投資利益を獲得しうる機会を明らかにするだけにとどまらず、日本の経済社会のあり方というマクロ的視点から、投資者による意思決定の更なる改善を通じて、証券市場の効率性がますます高まり、証券価格が資金配分の良好な指標となるような証券市場の確立に貢献することが期待される点において、大きな社会的意義をもつ。本研究の主要な成果は、『会計情報による企業価値評価』(中央経済社刊、505頁)として出版予定の書物にすべて収録されている。さらに、本研究の成果を踏まえて大幅な改訂がなされた『財務諸表分析』(中央経済社刊、326頁)は、会計情報を活用して企業評価を実践する人々の啓蒙書として、今後ますます役立つことができる。
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Research Products
(11 results)