2007 Fiscal Year Annual Research Report
ワーキングメモリの制御に及ぼす情動脳と社会脳の影響-fMRIとTMSによる検討-
Project/Area Number |
19203032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
苧阪 直行 Kyoto University, 文学研究科, 教授 (20113136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
美馬 達哉 京都大学, 医学研究科, 助教 (20324618)
蘆田 宏 京都大学, 文学研究科, 准教授 (20293847)
苧阪 満里子 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (70144300)
内藤 智之 大阪大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90403188)
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Keywords | 実験心理学 / ワーキングメモリ / 脳イメージング / 情動脳 / 社会脳 |
Research Abstract |
前頭前野を中心に,機能的磁気共鳴画像法(fMRI)と経頭蓋磁気刺激法(TMS)を用いて,情動脳とワーキングメモリのかかわりを検討した。ワーキングメモリの個人差をリーディングスパンテストによって測定し,その評価値によってハイパーフォーマーとローパーフォーマーに分け検討した。 行動実験とfMRIを用いた実験の結果(信号変化率の解析),中央実行系はワーキングメモリのコントロールに注意の制御系として重要な役割をもっていることが判明した。とくに,情動的にpositiveな感情を喚起する文は情動的にnegativeな感情を喚起する文と比べて,背外側前頭前野,腹外側前頭前野,内側前頭前野や頭頂小葉などで異なる活性化パタンを示すことが示唆された。これらの諸領域が協調して作動することで,情動の影響を受けながら適応的な高次認知や行動の制御が可能になることが推定された。これらの諸領域は主として知性脳とよばれる領域に属しているが,一方知性脳と情動脳を結ぶ内側前頭前野の前部帯状回も,競合する空間性や言語性のワーキングメモリ情報のコンフリクトの解消や情報の選択に大きな影響を持っていることも判明した。前部帯状回と前頭前野の間の機能的結合性を,リーディングスパンテストを用いて,ハイパーフォーマーとローパーフォーマーに分けて検討した結果,前者で結合指数が高いことが推定された。結合度指数が高いことは,ハイパーフォーマーでは両領域が機能的に強く結ばれていることを示唆しており,大変興味深い。
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