2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
落合 啓之 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90214163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若山 正人 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (40201149)
小林 俊行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80201490)
大島 利雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50011721)
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Keywords | 表現論 / 積分変換 / 超幾何関数 / アクセサリパラメータ / 多重ゼータ / 極小表現 / ワイル群 / ルート系 |
Research Abstract |
本研究では、表現論や関連研究に現れる特殊関数を取り扱う。積分変換や超幾何関数の手法や経験にも基づくが、超幾何関数を越えて行くことを遠望している。落合啓之は、指標和に基づくリー群上の積分で表わされた関数(ベッセル関数のある種の拡張)を考え、これが階数2の例外型リー群に付随する場合にはパラメータ0でホインの微分方程式を満足することを示した。この場合、難題であるアクセサリパラメータは決めることができる。現在一般のパラメータの場合に研究を進めている。これらは黒川信重との共同研究である。大島利雄は、示野信一とルート系に付随した超幾何微分方程式系の1変数への制限で得られる常微分方程式を解析し、その具体形ならびに剛性を決定した。これを契機として、より一般の常微分方程式の接続公式を与える新しい手法を提出し、アクセサリパラメータの問題を「分かる」問題に書き換えるプログラムが進行中である。小林俊行は不定値直交群の極小表現を土台とするフーリエ変換の理論を(一部は真野元とともに)構築した。若山正人は非可換調和振動子のスペクトルゼータ関数の特殊値を表示する積分の評価を行い、高次の積分に対しても漸化的な構造を明らかにした。 また、多重ゼータ値や多変数マーラー測度も積分で表示される。(ただし、超幾何積分や球関数とは異なりサイクル上の積分とならない場合が多い。)多重ゼータ値に関しては重シャッフル関係式の空間がワイル群の対称性を持つことを井原健太郎と示した。また、多変数相反多項式を含む多項式族に対して、マーラー測度を一般化超幾何関数で与える公式を黒川信重、M. Lalinと共同で導いた。
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