2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
落合 啓之 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90214163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊師 英之 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (00326068)
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Keywords | 表現論 / 積分変換 / 超幾何関数 / アクセサリパラメータ / 多重ゼータ / 極小表現 / ワイル群 / ルート系 |
Research Abstract |
本研究では、表現論や関連研究に現れる特殊関数を取り扱う。積分変換や超幾何関数の手法や経験にも基づくが、超幾何関数を越えて行くことを遠望している。多変数のマーラー測度は多変数多項式に対して多重トーラス上の積分で与えられる数値であるが、多項式の族に対してはそのパラメータに関する関数と考えることができる。ただし、超幾何関数や球関数とは異なり、サイクル上の積分とはならない場合が多い。落合は黒川信重,M. Lalinとの共同の研究で、マーラー測度の高次への拡張を考え、これらの母関数となるゼータ積分を導入した。高次のマーラー測度の計算できる例は少ないが、多重対数関数や一般超幾何関数の関係式を巧みに用いることにより、いくつかの例を与えた。また、多重ゼータ関数に関して落合は複数の研究を行った。井原健太郎とは、多重ゼータ「値」の線形関係式の対称性を研究し、重さが3の場合に重シャッフル関係式の空間がワイル群の対称性を持つことを示した。また、松本耕二、中村隆、津村博文と共同で、多重ゼータ「関数」のうちMordell-Tornheim型と呼ばれるものに対して、線形関係式と解析接続における特異性の位置を考察した。その他、積分で表わされる特殊関数として、階数2のルート系に付随したベッセル関数のある種の拡張を考えた。パラメータOではホインの微分方程式を満足し、もとのパラメータの取り方では超幾何的ではないが、超幾何関数を独立変数の有理変換したものであることがわかる。そして、Oでないいくつかのパラメータに対してもこれらの関数がホインの微分方程式からのintertwining微分作用素を使って書けることを観察した。また、Uuganbayarとの共同研究で、Gelfand流の多変数超幾何関数の高次行列式への一つの拡張である関口の偏微分方程式系の解の次元を研究し、Kostka数を使って書き表す公式を得ている。
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