2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
落合 啓之 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授. (90214163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊師 英之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (00326068)
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Keywords | 表現論 / 積分変換 / 超幾何関数 / 行列式 / 多重ゼータ / 旗多様体 / 等質領域 / 母関数 |
Research Abstract |
本研究では、表現論や関連研究に現れる特殊関数を取り扱う。積分変換や超幾何関数の手法や経験にも基づくが、超幾何関数を越えて行くことを遠望している。西山享(青山学院大学)との共同研究では、群の多重旗多様体の理論を、球部分群の設定に拡張する試みを開始し、軌道の個数の有限性を保証する原理・条件を複数発見した。これらの軌道は、表現の重複度や積分作用素で書かれるインタートワイニング作用素の核関数に関する情報のうち幾何学的部分を担っている。この仕事は既にモーメント写像に関する仕事(P.Trapa;ユタ大学)、軌道の具体的なパラメータ付けに関する仕事(松木敏彦、京都大学)を誘発した。黒川信重との共同研究では、無限対称群の元に付随したディリクレ級数型の母関数の解析接続や特殊値に関する以前よりも詳しい研究を行った。絶対体上の有限型概形とのつながりを考察し、積分(幾何学的には写像による直像)としての意味を追求した。比較的新しい対象としては、アルファ行列式の正値性を与えるパラメータ領域に関する予想を半分解いた。予想の動機は確率論にあるが、ここではそこからは離れ、対称錐に於ける積分の理論を援用してアルファ行列式を特殊な場合に一般超幾何関数を用いて書き切った。これは今までになされていなかったものである。さらにその応用として、正値性のための必要条件を導くことに成功した。また、研究協力者の伊師は、対称とは限らない等質有界領域の標準的な表現形式を与えた。この研究は分類、ルート分解、相対不変式の記述、ガンマ積分の計算など様々に有用となるものである。
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