2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西谷 達雄 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (80127117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 仲夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30173016)
土居 伸一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00243006)
杉本 充 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60196756)
久保 英夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50283346)
砂川 秀明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80375394)
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Keywords | 初期値問題 / 零陪特性帯 / 正跡 / シュレディンガー方程式 / 双曲型不動点 / レゾナンス |
Research Abstract |
初期値問題が適切であるためには,単純特性点を出発し2重特性点に接しながら入る零陪特性帯の存在しないことが必要であるか?という基本的な問題について,正跡が零である場合に標準形の作用素に対して肯定的な結果を証明した.正跡が零でない場合には否定的である可能性もあり未解決である.調和振動子を加えることによる量子効果が零陪特性帯の挙動に起因する古典力学軌道と整合しないことが原因と考えられる.この結果は平成19年10月にイタリアのシエナで開催された国際研究集会で研究成果として発表した. 古典力学系の双曲型不動点の近傍には安定多様体と不安定多様体が存在する.不安定多様体上でシュレディンガー方程式の超局所解を与えたとき,それが不動点の近傍で解を一意的に決定するかどうかを研究し,エネルギーレベルが特定の数値でないときには解が一意的に決定されることを示した.この結果はシュレディンガー方程式のレゾナンスの研究に応用する計画である.非線形シュレディンガー方程式の初期値問題に対する解のLifespanの下限の漸近評価を得ることに成功した.これは個別に研究されてきた諸結果に対して,それらを統一的に説明する考え方の発見につながるものと期待される. 平成19年11月には相空間解析の牽引者である研究者達を内外から招聘し,大津で国際研究集会を開催した.また平成20年2月には姫路でも兵庫県立大学の研究分担者と合同で同様の国際研究集会を開催した.これらの研究集会で今後研究すべきいくつかの課題とその研究方向が明らかとなった. 平成20年12月には,繰り越し分により海外から相空間解析の中心的指導者達3名を招聘し大津で国際研究集会「Linear and nonlinear waves」を開催した.ここでは情報交換、研究交流による重要な進展があった.また平成21年3月にも繰り越し分により,中国より相空間解析の研究者を招聘し,ボルツマン方程式のnon-cutoffモデルにする研究交流を行った.
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