2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西谷 達雄 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (80127117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤家 雪朗 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 准教授 (00238536)
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Keywords | 初期値問題 / 陪特性帯 / 適切性 / Gevrey空間 / Fourier積分作用素 / 複素相関数 |
Research Abstract |
初期値問題が適切であるためには、単純特性点を出発する陪特性帯の2次特性多様体のまわりでの挙動がどのように影響するか、という基本的な問いに対して十分条件のほうから研究をおこなった。すなわち、適切性をGevrey空間の指数で測ることにし、陪特性帯の挙動によって、初期値問題が適切となるGevrey空間がどのように異なるか、を研究した。そして以下の結果を得た。陪特性帯が2次特性多様体に対して安定な挙動、すなわち、2次特性多様体に極限点を有す陪特性帯が存在しない場合には、初期値問題はすべての低階に対してGevrey4で適切となることが示せた。さらにこの結果は最善であること、すなわち適当な低階を選ぶと、Gevrey4より大では初期値問題が局所可解でないことも示した。次に、2次特性多様体に接する陪特性帯が存在する場合には、初期値問題はすべての低階にたいしてGevrey3で適切となるとを示した。Gevrey3が最善であるかどうかは未解決問題であり、今後の研究課題である。また、陪特性帯が2次特性多様体に対して常に横断的である場合、すなわち効果的双曲型の場合には、研究代表者が以前に開発した、エネルギー積分の手法を用いて、低階にかかわらず、すべてのGevrey空間で初期値問題が適切となることを証明した。またこれらの結果の証明のために、一般の複素相関数をもつFourier積分作用素のCalculusを準備した。平成20年12月には相空間解析の牽引者である研究者達を国内外から招聘し、大津で国際研究集会を開催した。
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