Research Abstract |
単純特性点を出発し,2次特性多様体に接しながら入る陪特性帯が存在する場合で,かつ正跡が零のときに,初期値問題がGevrey 3クラスで,すべての低階に対して適切となることの証明に成功した.この証明のためには,複素数値の相関数をもつFourier積分作用素を用いる必要があり,まずはこの理論を整備した.この理論はそれ自体で興味深いので,これらの結果を別途発表し出版した.また,このGevrey指数が最良であることも示した.すなわち,2次特性多様体に接しながら入る陪特性帯を持つモデル作用素に対して,低階を適当に選べば,Gevrey 3より広いクラスでは適切にならないことを,非調和振動子の固有値問題を研究することにより示した,さらに,2次特性多様体に接しながら入る陪特性帯が存在しない場合で,かつ正跡が零のときに,初期値問題がGevrey 4クラスで,すべての低階に対して適切となることの証明に成功した.このGevrey指数4が最良であることは,平成20年度にすでに証明に成功している.これらのことから,Gevreyクラスにおける,強双曲型作用素を特徴づける問題は,基本的な場合に限ればほぼ解決したと言える.これらの成果を,Pisa,Doresden,Cagliariなどの国際研究集会で発表した また平成22年の9月には,大阪で相空間解析の専門家を国内外から招聘し,国際研究集会を開催した.平成23年2月には姫路で国際研究集会を開催し,国内外から多くの研究者を招聘し,成果発表およびそれに伴う情報交換を行った
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