2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204022
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 邦雄 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (10242166)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 三四郎 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (90400225)
池田 晴雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (90400233)
|
Keywords | 太陽ニュートリノ / CNOサイクル / デッドタイムフリー電子回路 / 液体シンチレータ / 原子核破砕 |
Research Abstract |
主系列星の詳細モデル構築では炭素C、窒素N、酸素Oなどの蓄積を詳細に扱わなければならない。それにもかかわらず、太陽表面の組成を再現する標準太陽模型が予測する太陽内の密度構造は、太陽震動学的な観測結果と矛盾しており(太陽問題)、太陽中心のCNO存在量を直接的に制限できる太陽CNOサイクルニュートリノの観測が重要性を増している。この測定には大型で高感度の検出器が必要であり、1000トンの液体シンチレータを有する高感度なカムランド実験に期待がかかる。カムランド実験においてCNOサイクルニュートリノを観測するには、宇宙線ミューオンの原子核破砕反応に起因するC11の崩壊によるバックグランドを除去しなければならない。C11の寿命が長いため、ミューオンとの相関だけでは有効な識別ができないが、C11の生成時に95%の確率で中性子が同時に発生することを利用して、大光量のミューオン信号の直後の中性子の小信号をとらえ、これとの相関を調べることでC11バックグランドを除去することが可能となる。そこで、バックグランド除去に不可欠となる大信号直後の近接する多数の小信号を歪み無く取得する電子回路の開発を行った。まず、光電子増倍管のAC接続による大信号直後のオーバーシュートを能動的に安定化させるベースライン安定化回路を開発し十分な性能を達成した。また、安定化された信号を幅広いダイナミックレンジで高速にデジタイズするために各信号を4つのゲインに分岐させ、最高ゲインに対しては1GHzサンプリング、その他のゲインに対しては200MHzでサンプリングし、高度なトリガーロジックとボード間のトリガー連係機能を有するデッドタイムフリー電子回路の開発を行った。試作基板を光電子増倍管に接続して性能を検証したところ、期待通りの性能が達成されていることを確認できた。
|
Research Products
(6 results)