2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 邦雄 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (10242166)
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Keywords | 太陽ニュートリノ / CNOサイクル / デッドタイムフリー電子回路 / 液体シンチレータ / 原子核破砕 |
Research Abstract |
主系列星の詳細モデル構築では炭素C、窒素N、酸素0などの蓄積を詳細に扱わなければならない。それにもかかわらず、太陽寒面の組成を再現する標準太陽模型が予測する太陽内の密度構造は、太陽震動学的な観測結果と矛盾しており(太陽組成問題)、太陽中心のCNO存在量を直接的に制限できる太陽CNOサイクルニュートリノの観測が重要性を増している。この測定には大型で高感度の検出器が必要であり、1000トンの液体シンチレータを有する高感度なカムランド実験に期待がかかる。カムランド実験においてCNOサイクルニュートリノを観測するには、宇宙線ミューオンの原子核破砕反応に起因する長寿命のC11の崩壊によるバックグランドを除去しなければならない。C11の生成時には95%の確率で中性子が同時に発生するため、大光量のミューオン信号の直後の中性子の小信号をとらえ、これとの相関を調べることでC11バックグランドを除去することが可能となる。そこで、バックグランド除去に不可欠となる大信号直後の近接する多数の小信号を歪み無く取得するベースライン安定化回路・デッドタイムブリー電子回路. トリガーモジュールの開発を行い、一部をカムランドに設置しての性能評価及び全数検査において十分な性能が得られていることを確認した。現在順次導入中である。また、太陽ニュートリノ観測に向けた液体シンチレータの純化を実施したところ、純化前と比べて10000分の1以下への放射性不純物の低減に成功し、Be7太陽ニュートリノの観測が可能になった。現在は短寿命の放射性不純物の崩壊を待っている状態である。また、新開発の電子回路を適用することで、C10バックグラウンドに対しても同様の中性子タグによる除去が可能となり、カムランドにXe136を導入することで、世界最先端のニュートリノレス二重β崩壊の探索が行えることも示した。
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Research Products
(15 results)