2009 Fiscal Year Annual Research Report
多価イオン状態核の電子捕獲/束縛状態β崩壊半減期と価電子スピンの研究
Project/Area Number |
19204023
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
鈴木 健 Saitama University, 理工学研究科, 教授 (10196842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 貴之 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10375595)
大坪 隆 新潟大学, 自然科学研究科, 准教授 (70262425)
泉川 卓司 新潟大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (60282985)
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Keywords | 多価イオン状態核 / EC崩壊 / 束縛状態β崩壊 |
Research Abstract |
水素原子様ヨウ素同位体^<122>_<53>I^<52+>に着目して2008年度に実験を行った。実験は重イオン加速器からの核子あたりエネルギー592MeVの^<134>Xeビームを2513mg/cm^2厚みの^9Be標的に照射し入射核破砕反応でEC崩壊核^<122>_<53>I^<52+>を400(A MeV)で生成分離し、蓄積リングに磁気剛性率8.0Tmで入射させた。入射された核破砕片は確率冷却によって予備的に冷却され更に電子冷却を用いて運動量広がりを10^<-6>程度にまで冷やしてこれをショットキー法で検出した。今年度はデータ解析を進め、親核の崩壊曲線と娘核の増加から陽電子崩壊確率、EC崩壊確率、及びリング中でのイオンの損失率を独立に決定した。その結果^<122>I^<52+>の陽電子崩壊定数λ_<β+>を2.345(93)X10^<-3>[sec^<-1>]、EC崩壊定数λ_<EC>を0.680(5)X10^<-3>[sec^<-1>]と決定した。陽電子崩壊定数は中性状態(^<122>I^<0+>,2.451X10^<-3>[sec^<-1>])の時よりも4%ほど小さくなっている。軌道電子のスクリーニング効果と荷電状態に依るQ値の変化によって理解できる。EC崩壊定数λ_<EC>については中性状態(0.605X10^<-3>[sec^<-1>])のときよりの12%ほど寿命が短くなっている。この事はEC崩壊においてその崩壊定数が全角運動量保存に関する量子力学的スピン選択則が関わっていることを示唆している。
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Research Products
(4 results)