2010 Fiscal Year Annual Research Report
多価イオン状態核の電子捕獲/束縛状態β崩壊半減期と価電子スピンの研究
Project/Area Number |
19204023
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
鈴木 健 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10196842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 貴之 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10375595)
大坪 隆 新潟大学, 自然科学研究科, 准教授 (70262425)
泉川 卓司 新潟大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (60282985)
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Keywords | 水素様イオン / 電子捕獲崩壊 / 束縛状態β崩壊 / ヘリウム様イオン / 非指数関数崩壊曲線 / ニュートリノ振動 |
Research Abstract |
本年度は既に公開した結果の価電子が1個ついた水素様原子^<140>Pm^<60+>の電子捕獲崩壊(束縛状態β崩壊の時間反転過程である)の半減期と崩壊曲線を比較するべく、(価電子スピンの状態を変えて)電子が2個ついたヘリウム様原子^<140>Pm^<59+>について実験を行った。実験はドイツ・重イオン科学研究所(GSI)の加速器施設にて重イオンシンクロトロンSISからの核子当たり凡そ607MeVの^<152>SmビームをBe標的に照射し、入射核破砕片分離装置FRSを経て、重イオン蓄積リングESRにて行った。粒子の検出にはショットキーピックアップを用いた。実験データは鋭意解析中である。崩壊曲線は指数関数N(t)=N_oe^<-λ1>、及び指数関数+三角関数N(t)=N_o[1+A cos(ωt+φ)]e^<-λ1>でフィットする解析をそれぞれ行った。データの一部分を解析した予備的結果は以下のようである。 振幅を水素様イオンの結果に固定した解析ではフィットの良さ・周波数の値が一致しなかった。一方周波数を水素様イオンの結果に固定した解析では振幅の値が1桁ほど小さくなっていた。(振幅A:0.23,固定周波数ω:0.754[s^<-1>];振幅A:0.026(23),周波数ω:0.885[s^<-1>])固定これは水素様イオンとヘリウム様イオンでの電子数の違いによる遮蔽(スクリーニング)効果の為と考えられる。指数関数からの変位の理由としてニュートリノ振動・量子変化(quantum beat)・全角運動量則などが考えられる。
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Research Products
(5 results)