2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204028
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉村 太彦 Okayama University, 理学部, 特別契約職員教授 (70108447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 逸夫 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90133024)
福見 敦 岡山大学, 理学部, 助教 (40426656)
中嶋 享 岡山大学, 理学部, 特別契約職員助教 (80400240)
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Keywords | マヨラナ粒子 / ニュートリノ / レプトン数非保存 / 超放射 / 光ソリトン / マックスウェル・ブロッホ方程式 |
Research Abstract |
未知の混合角とすべてのニュートリノ質量値を決定する、原子を利用した、新たなニュートリノ質量分光の実験手法を確立するために、基礎的な理論研究と開発実験研究を行った。輻射を伴うニュートリノ対生成プロセスがこのために有用な基本プロセスであるが、小さなレートを増幅してプロセスを大きなレートで誘起するためには、標的のマクロコヒーランスを実現する必要がある。そのために、固体マトリックス等に埋め込んだ標的原子集団をアヴォガドロ数程度作成して、準安定状態にレーザー励起し、下位へのレベル間隔の半分に相当するパルスレーザートリガーにより、コヒーランスを成長させるのが有効である。この重要課題に対して、いかにしてコヒーランスが発展するかの研究を行った。マックスウェル・プロッホ方程式を該当する3準位ラムダ型レベル系に適用した場合の基礎方程式を導き、数値計算を開始するとともに、トリガーによる光ソリトン形成が巨大な増幅を起こし得ることを見いだした。また、希ガス低励起準位が標的原子として最適候補の一つであることを確立した。実験面では、カナダブリッティシュ・コロンビア大学との共同研究により、パラ水素分子結晶中にXeを単体で埋め込むことに成功した。さらに、アルカリ原子気体をセル中に封じ込めて、関連するプロセスである、通常の1光子超放射現象の観測に成功した。ニュートリノ質量分光に対してマーカー的役割を果たす、2光子超放射はマクロコヒーランスを該当環境で証明する重要なステップである。2光子超放射に最適な原子として、バリウム原子のD-状態がある。気体セル中でこの状態の生成に成功した。上位レベルからの誘導放出を利用した手法を用いた。理論面の論文を発表するとともに、化学者との共同実験研究ネットワークを構築した。
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