2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204031
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮山 進 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00153677)
|
Keywords | 量子ホール系 / 核スピン / 端状態 / 位相干渉性 / 超微細相互作用 |
Research Abstract |
[核スピン制御]GaAs系の量子ホール電子系の端状態に生ずる電子スピンを利用して、固体素子の選択した位置の約30nm幅の微細領域に核スピン偏極を誘起することに成功した。また、励起された核スピン偏極の空間プロファイルを、バイアス電圧の微調で端状態の位置をナノメートル精度で挿引することによりイメージングすることに成功した。核スピンのナノメートルスケールでの制御という本研究の目的の一つを達成した。また、核スピン偏極を逆に端状態電子系に対するナノプローブとして利用することにより、端状態電子系のマイクロスコピーを行い、電子スピンの集団励起状態(バルク状態におけるスカーミオンに対応したspintexture edge)が生じている証拠を世界で初めて得た。 [電子系と電磁波との強結合]circuit QEDを半導体素子で実現するために、昨年度に引き続いて、直列2重量子ドットを超伝導金属(アルミニウム)によるコプラナー型マイクロ波キャビティーに静電的に結合し、電子系の2準位とキャビティー中のマイクロ波光子との強結合を目指す素子作りを継続した。直列2重量子ドットの準位間隔(約500mK)が実験温度(30mK)で十分分離する大きさを持ち、またコプラナー導波路によるキャビティの共振周波数(8GHz、約500mK)に対応することを別個に確かめた。最終年度となる来年度に「人工単一分子レーザー」を目指す準備が整った。
|
Research Products
(10 results)