2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 晴善 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (60302246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 明 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90183772)
木村 憲彰 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30292311)
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Keywords | 低温物性 / dHvA効果 / f電子化合物 |
Research Abstract |
(1)昨年度に引き続き、Ce_xLa_<1-x>Ru_2Si_2について、磁場をc面内に加えて、dHvA振動の周波数、有効質量、信号強度を測定した。特に、x=0.1までの低濃度試料においてはLa_xRu_2Si_2で観測されたすべての振動の観測に成功し、周波数の角度依存性、濃度変化、および有効質量の濃度変化について詳細な測定を行った。周波数、有効質量の変化はフェルミ面によって大きく異なることがわかった。また、電気抵抗、磁気測定によりCe_xLa_<1-x>Ru_2Si_2の磁気相図を詳細に調べた。さらに、共同研究により、角度光電子分光測定を行い、高濃度側でのf電子状態を調べた。これらの結果から、この系ではf電子は不純物状態からすでに遍歴していることが明らかとなった。 (2)U_<1-x>Th_xPd_3については、昨年度に引き続き、種々のTh濃度試料作成を行った。あらたに、比熱測定を行い、各濃度での四極子転移の温度-磁場変化を明らかにした。これらにより、四極子転移温度がTh濃度とともに急速に減少し、約x=0.2で消失していくことを明らかにした。また、これまで観測できなかった濃度の試料についてもdHvA効果の観測に成功した。Pr_xLa_<1-x>Pb_3については、温度、磁場の関数として、周波数、信号強度について系統的かつ詳細な解析を行った。これにより、電子状態は四極子状態の温度、磁場による変化に影響を受けていること、その影響はフェルミ面によって大きく異なり、異方的な混成を起こしていること、また、混成の大きさは転移温度程度であることが明らかとなった。 (3)単結晶育成に成功した新しい系、Ce_xLa_<1-x>AL_2についは十分大きなdHvA効果の信号が得られていない。 (4)立ち上げた3^HeクライオスタットでCe_xLa_<1-x>Ru_2Si_2についてホール効果、磁気抵抗効果の系統的測定を開始した。
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Research Products
(26 results)