2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 晴善 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60302246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 明 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90183772)
木村 憲彰 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30292311)
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Keywords | 低温物性 / dHvA効果 / f電子化合物 |
Research Abstract |
(1)Ce_xLa_<1-x>Ru_2Si_2について、ホール効果、磁気抵抗などの輸送現象を濃度を系統的に変化させて、測定した。残留抵抗はx=0.5でもなく、また、量子臨界点近傍でもなく、反強磁性状態のx=0.85近傍で最大となることを見出した。また、磁気抵抗、ホール抵抗もこの近傍で最大値となることを見出した。この現象が起こる濃度では、反強磁性転移温度とコヒーレンス温度がほぼ等しくなることを明らかにした。これらの結果から、この系の電子状態にはf電子の磁気揺らぎだけでなく、電荷の揺らぎが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。さらに、c面内に磁場を加えたときにあらわれる、有効質量の異常な磁場変化について、Ce濃度を変化させて系統的に測定し、解析を行なった。特に、Ce低濃度試料の信号の強度、位相の温度変化を詳細に測定・解析したところ、高温で局在していたf電子が、近藤温度程度の温度を境として、連続的に低温での遍歴状態にクロスオーバーしていく様子を初めて見いだした。また、低温では有効質量がLaRu_2Si_2に比べて、3倍程度の重い電子状態が形成されていることが明らかとなった。この結果はCe低濃度においても、低温でf電子が遍歴していることを示すこれまでの結果と矛盾がない。 (2)U_<1-x>Th_xPd_3、Pr_xLa_<1-x>Pb_3ついては、これまで測定で得られた結果につい詳細な解析を行った。伝導電子と局在したf電子との混成効果は重要であるが、これまで報告されている非フェルミ液体、巨大な電子比熱係数などの異常現象について伝導電子から生じていないことを示した。'また、これらの系における、四極子秩序-無秩序転移は量子臨界点を形成していないことを明らかにした。
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Research Products
(35 results)