2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204035
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
前川 禎通 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, センター長 (60005973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椎八重 航 理化学研究所, 基幹研究所, 研究員 (20273253)
森 道康 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (30396519)
家田 淳一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 任期付研究員 (20463797)
大江 純一郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 博士研究員 (40510251)
安立 裕人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 任期付研究員 (10397903)
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Keywords | 強相関電子系 / スピン流 / スピンホール効果 / 第一原理計算 / 量子モンテカルロ計算 / 超伝導 / ジョセフソン接合 / 熱起電力 |
Research Abstract |
2008年東北大学より、金における巨大なSHEが報告された。我々は第一原理計算に基づき、金中の鉄不純物が巨大SHEに寄与することを突き止めた。さらに、量子モンテカルロ計算を組み合わせることにより、電子相関効果を取り入れることに成功し、クーロン相互作用によるスピン軌道相互作用(SOI)の繰り込み効果によって、クーロン相互作用を大きくするとスピン相関が負の方向に増大することを解明した。また、この繰り込み効果に対する量子的なスピンゆらぎの効果を調べ、鉄原子の量子的なスピンゆらぎが大きくなるほどスピン間の相関が大きくなることも見いだした。この結果は「なぜ、鉄不純物によってSHEのみが増長され、異常ホール効果に影響が現れないか」という疑問に対する明確な回答を与えた。さらに、巨大SHEを引き起こす例として、界面を考慮したSHEの計算を行った。金の(111)表面に白金のある場合について、局在電子と金の伝導電子との混成エネルギー、局在軌道の電子数、スピンホール角の関係を計算し、バルクの場合と比較した。その結果、スピンホール角は(111)界面で大きくなり、界面上でSOIに関係する軌道が2種類あることが明らかになった。バルク状態における対称性が界面によって破られ、局在軌道のエネルギーがフェルミエネルギー付近へと上昇、その結果界面付近でのSOIが大きくなり、SHEが増強されることが分かった。これらの計算結果は実験グループの結果をよく再現する。 また、上記研究で用いられた電子相関計算アルゴリズムは極めて汎用性が高く、実験グループとの共同研究による新しい磁性半導体Li(Zn,Mn)Asの開発においてもその有用性を発揮した。他にも、常伝導/超伝導接合における巨大SHEの理論構築、動的平均場理論を用いたコバルト酸化物の熱起電力の数値計算等も行った。
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[Journal Article] Li(Zn,Mn)As as a new generation ferromagnet based on a I-II-V semiconductor2011
Author(s)
Z.Deng, C.Q.Jin, Q.Q.Liu, X.C.Wang, J.L.Zhu, S.M.Feng, L.C.Chen, R.C.Yu, C.Arguello, T.Goko, Fanlong Ning, Jinsong Zhang, Yayu Wang, A.A.Aczel, T.Munsie, T.J.Williams, G.M.Luke, T.Kakeshita, S.Uchida, W.Higemoto, T.U.Ito, Bo Gu, S.Maekawa, G.D.Morris, Y.J.Uemura
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Journal Title
Nature Communcations
Volume: 2
Pages: 422
Peer Reviewed
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