Research Abstract |
原子レベルの精度で制御された表面をもつ酸化物薄膜S_rVO_3,S_rR_uO_3,La_<1-x>Sr<x>MnO<3>,Nd_<1-x>Sr_xMnO_3,Pr_<1-x>Ca_xMnO_3をMBE法により作製し,in-situ角度分解光電子分光を行った,SrVO3に関しては,成長の過程で形成されたと考えられるV^<5+>酸化物表面層が保護層の役割を果たし,極紫外領域の光電子分光でもバルク電子状態を高分解能で観測できることがわかった,このため,従来のバルク単結晶の測定に比べてはるかに明瞭な準粒子ピークのバンド分散が観測され,インコヒーレント部分もわずかに分散することが見出された.LaA10_3基板からの圧力で電荷秩序の抑制されたPr_<1-x>Ca_xMnO_3について光電子分光を行い,バルク結晶で電荷秩序形成のために抑制されていた化学ポテンシャルシフトが復活することを見出した,La_<1-x>Sr_xMnO_3,Nd_<1-x>Sr_xMnO_3に見られていたMn 3dバンドの分散は,電子の局在のために消滅した, 電界誘起巨大抵抗変化現象を示すことから注目されているS_rTiO_3/S_rR_uO_3ヘテロ界面の電子状態を調べるために,化学的に急峻な界面をもつヘテロ界面をレーザーMBE法により作製し,そのin-situ光電子分光を行った.その結果,界面スペクトルにおいてもバルクスペクトルと同様,フェルミ準位近傍に明確なコヒーレントピークが存在することが明らかになった,一方,表面スペクトルにはコヒーレントピークは観測されなかった.このことから,界面におけるRu 4d状態は表面に比べてバルクに近い状態を保っていることを示していることがわかった.
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