2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本海東縁の海底メタンハイドレートと大規模メタン湧出に関する総合的研究
Project/Area Number |
19204049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 良 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼波 秀樹 東京家政学院大学, 家政学部, 准教授 (10266554)
角和 善隆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (70124667)
荻原 成騎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (50214044)
砂村 倫成 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (90360867)
栗田 嘉宥 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (80106757)
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Keywords | 日本海東縁 / 上越海盆 / メタンハイドレート / メタンプルーム / OSB変動 |
Research Abstract |
4月~5月、上越沖、佐渡沖の弥彦堆および奥尻西方海域おいて無人探査機「ハイパードルフィン」の潜航観察とシングルチャンネル地震波探査を実施した。あわせてニスキンボトルによる海水サンプリング、プッシュおよびプッシュコアラーによる海底堆積物の採取を実施した。7月~8月にはピストンコアリングによる海底土の採取調査および計量科学魚探装置による、海水中のプルーム調査を実施した。これら調査により、(1)上越沖のガスチムニー上部に塊状のメタンハイドレートが集中すること、(2)上越沖に限らず日本海東縁変動帯には小規模な海嶺するが、海嶺上に強いメタン湧出の痕跡、深部にガスハイドレート集中帯が発達することを明らかにした。(3)ピストンコアラによって回収した堆積物は過去3万年の日本海と環境変動を記録し、(4)最終氷期の極相期にあたる2万年ほど前には還元環境を示唆する暗色層が広い範囲に堆積している。暗色層の起源として日本海の成層化による垂直混合の阻害が指摘されているが、(6)底生有孔虫の群集解析から、この時期に局所的に海底メタンハイドレートが分解し海底が還元的になった可能性があることが分かった。(7)地震探査データから海鷹海脚上のメタンハイドレートの分布が把握することが出来た。(8)地温勾配測定からメタンハイドレートの分布下限深度は海底から110mであると推定される。(9)メタン湧出域周辺は底生生物が豊富であるが特にベニズワイカニが特徴的に見られ、固体数の分布密度はメタン湧出のない海底の数倍である。
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Research Products
(11 results)