2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本海東縁の海底メタンハイドレートと大規模メタン湧出に関する総合的研究
Project/Area Number |
19204049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻原 成騎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (50214044)
角和 善隆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (70124667)
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Keywords | 日本海東縁 / 上越海盆 / メタンハイドレート / メタンプルーム / OSB事変 / 氷期-間氷期変動 |
Research Abstract |
本研究課題の最終年度である2011年度には、これまでの2年間の研究で抽出された新たな問題の解明およびすでに概要が明らかになった課題の取りまとめ、今後の研究発展への課題整理を行なった。 1. 6月後半、フランスの調査船マリオン・ドフレーヌ号の超長尺ピストンコアラにより海底からの深度40mまでの堆積物コアを回収した。これまでは海底下8m程度の回収で過去3万年であったが、今回、過去10万年のコアが得られた。これにより最終氷期のほぼ全体がカバーされ後氷期までの変動が精度よく復元される事になった。おなじ航海中に25cmx25cmの大口径大重量のボックスコアラにより、これまで回収不可能であった炭酸塩とガスハイドレート混合層を貫通するコアリングを行った。これにより、表層型ハイドレートの確認分布深度が広がった。 2. 超長尺コア堆積物について微化石と火山灰年代の分析を行い、調査海域の堆積物の堆積速度が過去10万年の間ほぼ一定、1000年で30cmであることが分かった。過去10万年の間に無酸素環境で堆積する暗色層が23枚確認できた。これらは氷期-間氷期変動に対応するものでありガスハイドレートの安定性とも関係するものである。 3. 8月前半にJAMSTECの研究船よこすかを用いて自律型無人探査機(AUV)による海底調査を行った。AUVは海底から100m程度の高度からマルチビーム(MBES)およびサブボトムプロファイラー(SBP)により分解能の極めて高い海底地形図を作り海底下の地質構造を明らかにするものである。本調査では分解能1mという分解能により従来の調査では分からなかったマウンド中央のクレーター構造やマウンド直下のガスチムニー型集積を明らかに出来た。SBPはマウンド周辺に層理の明瞭はユニットを明らかにした。このユニットは、マリオン・ドフレーヌ号調査で回収したユニットにほぼ対応させることができる。 4. 研究まとめのワークショップを開催し年代、環境変化、ハイドレート分布についてこれまでの知見の総括を行った。
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Research Products
(15 results)