2010 Fiscal Year Annual Research Report
高温における圧力スケールの確立と地球内部地震波不連続面への適用
Project/Area Number |
19204054
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松井 正典 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (90125097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 敬 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50270921)
肥後 祐司 高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (10423435)
舟越 賢一 高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 副主幹研究員 (30344394)
真下 茂 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 教授 (90128314)
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Keywords | 岩石・鉱物・鉱床学 / 地殻・マントル物質 / 地球・惑星内部構造 / 高温高圧 / 圧力スケール / 状態方程式 |
Research Abstract |
1. SPring-8において、焼結ダイアモンドアンビルセルを用いた放射光高温高圧X線回折実験により、金とMgO,及び白金とMgOの粉末混合物を試料として、高温高圧下における金、白金、MgOの体積の同時精密測定を行った。3種の等温条件300,700,1100Kにおいて、最大圧力75万気圧までのX線回折データを求めることが出来た。これらのデータに基づいて、金、白金、MgOについての既存の圧力スケールを詳細に比較検討した。 2. 室温下で、ダイアモンドのラマンシフトを用いた圧力決定法と各種圧力スケール(MgO, NaCl,金,白金)の相対評価を100万気圧まで行い、整合性をチェックした。加えて、室温下で、純鉄とMgOの格子体積の同時測定を300万気圧まで行った。 3. SiO2のパイライト型相の室温圧縮曲線を約300万気圧まで得た。SiO2ガラスは断熱性に富むため、近年の超高温実験で圧媒体として頻繁に用いられている。超高圧下で加熱後に一部がパイライト型相へと結晶化するため、その状態方程式は圧力の導出に有用である。 4. SPring-8において、超音波法による高精度の絶対圧力の見積もりのために、NaClを試料とした弾性波速度測定を行った。室温下、約12万気圧までのデータ取得に成功し、これらのデータに基づいて絶対圧力の算出をおこなった。その結果、既存の圧力スケール(Decker, 1971)と比較して0-12万気圧では最大0.15万気圧の差異しかないことが明らかになった。 5. MgO単結晶のユゴニオを100万気圧以上まで計測した結果、塑性域のユゴニオは(100),(110),(111)方向で差がみられるが、圧力が高くなると結晶方向の差は小さくなっていく結果が得られた。
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