2009 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ表面相互作用における光・ラジカル・電子照射素過程とそのシナジー効果の解明
Project/Area Number |
19204056
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浜口 智志 Osaka University, 工学研究科, 教授 (60301826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 智 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40294029)
北野 勝久 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (20379118)
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Keywords | プラズマ / 光物性 / 分子動力学 / 反応性ラジカル / プラズマCVD / プラズマエッチング |
Research Abstract |
半導体デバイス製造工程等に用いられるプラズマプロセスにおいて、高い運動エネルギーを持って物質表面に入射するイオンは、プラズマから同時に照射される光・ラジカル・電子の影響により、表面物質と極めて複雑な非平衡化学反応を、物質表面から数ナノメートルの深さの層(表面ナノ反応層)に誘起する。本研究は、数値シミュレーションと精密に制御された多種ビーム同時照射実験を用いてプラズマを「模擬」することにより、プラズマプロセスにおける、それぞれの入射種と物質との相互作用を明らかにするとともに、そのシナジー効果(反応素過程の重ね合わせが成り立たない非線形効果、即ち、反応の相乗効果)を明らかにして、高度に制御可能な新しいプラズマプロセスを構築することを目的とする3年のプロジェクトである。3年目にあたる平成21年度は、Si-O-F-C-H系の分子動力学シミュレーションコードを用いて、フォトレジストを模擬した単純なポリマーPMMAへのフロロカーボンラジカル・イオンの照射シミュレーションをおこなった。これにより、プラズマとポリマーの相互作用の一般的性質を明らかにした。また、PMMAへの同様なイオンビーム照射実験を行い、シミュレーション結果との比較を行った。また、シリコン基板などへの水素入射による表面ダメージの影響もマルチビーム照射実験により明らかにした。また、3年間の研究成果を総合すると、プラズマから物質表面へ照射されるイオン・中性ラジカル・紫外光・電子の相互作用によるエッチングや堆積プロセスへの影響が出る条件を明らかにし、また、数値シミュレーションを用いて、それらの効果の一部については、その物理的機構が明らかとなった。
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