2009 Fiscal Year Annual Research Report
巨大サイズクラスターの赤外分光による水の大規模水素結合ネットワーク構造の解明
Project/Area Number |
19205001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤井 朱鳥 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50218963)
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Keywords | 水 / 水素結合 / クラスター / 赤外分光 / 質量分析 / 密度汎関数法計算 / 氷 / イオン化 |
Research Abstract |
大サイズ中性phenol-(H20)nクラスター(n=10-50)の赤外分光をい、水素結合および自由OH伸縮振動のクラスターサイズ依存性を調べた。本年度は特に水素結合OH伸縮振動に注目し、サイズ10を超える大きさの中性水クラスターにおいて、サイズ選択された赤外スペクトルの観測に初めて成功した。20量体を中心に密度汎関数法による赤外スペクトルのシミュレーションを行い、実測スペクトルとの比較を行った。その結果、3300cm-1付近に現れるピークを4配位水素結合した水の水素結合OH伸縮振動と明瞭に帰属することが出来た。これは氷以外で4配位水素結合した水のバンドを特定した初めての例であり、凝集相の水のバンドを成分分解する上で非常に有用な結果である。また、赤外-紫外二重共鳴法における赤外スペクトルのポンプープローブ遅延時間依存性から、解離検出型スペクトルにフラグメント生成の振動数依存性が大きく影響を及ぼしていることを見いだした。
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