2009 Fiscal Year Annual Research Report
光導波路分光法による担持有機金属ナノクラスターの光物性の解明
Project/Area Number |
19205004
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中嶋 敦 Keio University, 理工学部, 教授 (30217715)
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Keywords | ナノクラスター / 有機金属 / 光導波路分光 / ソフトランディング / 光物性 / マグネトロン |
Research Abstract |
本研究では、ソフトランディング単離法を用いて、種々の低次元ネットワーク構造を有する有機金属ナノクラスターを非破壊的に単離・担持し、配向を含めた吸着構造が制御された有機金属ナノクラスターの光吸収特性ならびに発光特性の解明を目指している。平成21年度は、有機金属ナノクラスターを連続ビームとして生成させるために、マグネトロンスパッタリング法による高強度クラスター源の開発を進めるとともに、前年度までに導入した光導波路分光システム、および走査型トンネル顕微鏡を利用して、有機金属ナノクラスターの担持状態を評価と有機金属ナノクラスターの大量合成法の確立を進めた。 ソフトランディングさせるための有機金属ナノクラスターとして、マグネトロンスパッタリング法を用いた連続ビームによるクラスター源の開発を行なった。非磁性ならびに磁性を有する金属ターゲットに加えて、絶縁体ターゲットもスッパッタリングが可能な手法を、電源モードを直流のみならず交流にも対応できるように生成源を設計、製作した。マグネトロンスパッタリング法によって生成させたクラスターの生成分布は、飛行時間型質量分析計ならびに四重極質量分析器を用いて測定し、スパッタリング条件を最適化できるようにした。この結果、非磁性金属ターゲットを直流モードでスパッタリングした際に、100量体程度まで金属クラスターが生成できることを飛行時間型質量分析計によって確認することができた。また、有機金属ナノクラスターの大量合成を液相合成によって確立することを目指して、特に有機金属ナノクラスターの溶媒中での分散性を高めるために、有機配位子へのメチル基などの官能基の導入を進め、有機金属ナノクラスターの可溶性の向上と酸化反応への耐性を確認した。 これらの研究の推進のために、ターボ分子ポンプ2台、真空チェンバー、スパッタリング源、ロータリーエバポレーターの購入に活用した。
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